Dynamics CRM拡販、クラウドパートナー強化--日本MS平野新社長が経営方針会見

羽野三千世 (編集部)

2015-07-02 18:35

 日本マイクロソフトは7月2日、新社長就任と2016年度(2015年7月~2016年6月)経営方針に関する記者会見を開催した。7月1日付けで代表執行役 社長に就任した平野拓也氏は、(1)ワークスタイル改革のリーディングカンパニーになること、(2)Azureをコネクテッドワールドのデファクトプラットフォームにすること、(3)より多くの人にWindows 10のコンピューティング体験をしてもらうこと――「これら3つのアンビジョン(野望)を日本で実現していきたい」と強調した。


日本マイクロソフト 代表執行役 社長 平野拓也氏

法人向けOffice 365は定着、次はDynamics CRMに注力

 これまで同社が“ワークスタイル変革”を切り口に訴求してきたのは、主にOffice 365だった。今年度は、「法人向けOffice 365はすでにメインストリームになった」(平野氏)として、Dynamics CRMの導入拡大に注力する。また、コンシューマーへの価値提供がひいては法人利用の拡大につながるというビジョンから、個人に対するOneDrive、Skype、Officeの訴求を強めるとする。

 前社長の樋口氏が取り組んでいた「品川本社のオフィスをワークスタイル変革のショールームにする」施策は、今年度も継続する。平野氏によれば、今年度は調布技術センターを品川本社に統合する予定で、統合に合わせて品川本社を最先端のワークスペースへと再構築しているところだという。「社内には25台のSurface Hub(ビデオ会議システム)を設置して、社員で新しいワークスタイルを試している」(平野氏)

クラウドパートナーを3500社に拡大

 「Azureをコネクテッドワールドのデファクトプラットフォームにする」ための施策として、クラウドパートナーとの連携強化を図る。平野氏は、「クラウド分野のパートナー企業を前年度比で1000社増やし、合計約3500社のパートナーネットワークを構築する」ことを目標に掲げた。

 さらに、新しいパートナーの枠組み「クラウドソリューションパートナー」を設置。クラウドソリューションパートナーを通じて、主に中小企業を対象に同社のパブリッククラウドを月額モデルで提供する。

 平野氏は、ISVとのパートナーシップ強化にも言及した。今年度、社内にISVビジネス推進本部を新設し、20人体制でISVパートナーへの技術支援、共同マーケティングを行っていくとする。

Windows 10は“エクスペリエンス”だ

 同社の今年度最大のイベントは、7月29日にせまったWindows 10の発売だ。平野氏も、今年度経営方針の3本柱の1つに「より多くの人にWindows 10の革新的なパーソナルコンピューティング体験をしてもらうこと」を挙げる。

 Windows 10は、Windows 7/8.1から無償アップグレードすることが可能で、Windows Updateによって随時機能拡張される。平野氏は、Windows 10は製品を売って利益を上げるビジネスではなく、ユーザーに“エクスペリエンス”を提供するためにあるものだと説明。新しいコンピュータ体験を提供することが、結果的に同社のビジネス全体の拡大につながるとのビジョンを示した。

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