既報の通り、社長人事を発表した日本マイクロソフトは3月2日、7月1日から新たに代表執行役社長に就任する平野拓也氏、現在の代表執行役社長で次は代表執行役会長に就任する樋口泰行氏、Microsoft InternationalのプレジデントであるJean-Philippe Courtois(ジャンフィリップ・クルトワ)氏の3人で、新経営体制を説明する記者会見を開催した。
樋口氏は日本法人の社長交代について「外資系企業では、突然トップがいなくなり、社長職が空席となっているケースが散見されるが、日本マイクロソフトではタスキをつなぐように、スムーズにリーダーが交代し、顧客に迷惑をかけないようにすることが企業としての使命と考え、そのことを念頭に、以前から入念に用意をしてきた」と社長交代のタイミングを探り、このタイミングが好機ととらえたと説明した。
新社長に就任する平野氏について、Courtois氏は「平野がマイクロソフトに入社し10年、育つ様子を見てきた。マイクロソフトの中でサービスビジネス、エンタープライズビジネス、マーケティング&オペレーションと主要部門で経験を積み、さらにMicrosoft Central & Eastern Europeという新興国市場でジェネラルマネージャーとしてリーダーシップを発揮した経験を持っている。樋口の後釜を任せるにはふさわしい人選」と説明した。
平野氏は「具体的な施策については7月以降に改めて発表したいと考えるが、Satya Nadellaが米Microsoftの最高経営責任者(CEO)に就任以降、数々の変革を実践し、新しい方向性もだいぶ見えてきた。日本法人としても、使いたくなる製品の提供、お客様から愛され、先手を打つ会社として、臆することなく事業に取り組みたい」と話した。
社長に就任する平野拓也氏
平野氏は3月2日付けで代表取締役副社長に就任し、7月以降の新年度の予算、新執行体制などについて樋口氏とともに決定していく。樋口氏は、7月以降は代表取締役会長に就任し、対外活動を行っていく計画だ。
新社長に就任する平野氏は、1970年北海道出身。日本人の父親とアメリカ人の母親の間に生まれ、日本語、英語の両方をネイティブ言語として話せる。風貌と名前にギャップを感じるという人もいるということで、「驚かれることが多いが、自分は北海道生まれの道産子という感覚。子供のころは父親と共に座禅を組み、受験もしたし、学ランを着て学校に通っていた」と日本で青春時代を送った。
その後、米国のブリンガムヤング大学を卒業し、兼松の米国法人、Hyperionを経て2005年8月にマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に入社。エンタープライズサービス、エンタープライズビジネスを担当した後、2011年から3年間、バルカン地域からモンゴルまでを含むMicrosoft Central & Eastern Europeに赴任し、General Managerを務めた。その後、2014年7月から日本マイクロソフトに戻り、執行役専務としてマーケティング&オペレーションを担当していた。
「家には子供が4人いるので、家に帰ると子供に時間がとられてしまう。仕事が趣味というか、趣味を作らなければいけないと考えているところ」という。