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データ保持のベストプラクティスと企業のコンプライアンスを考える

James Sanders (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-07-21 06:30

 日常的な業務を行うにあたって、電子記録の管理に関する明確なポリシーを定めておくことは非常に重要だが、訴訟が起きた場合に備えて、記録保持に関する法令を遵守するという文脈についても考えておく必要がある。

 電子的なコミュニケーションが簡単で便利になるにつれて、その過程で生み出される、業務上保管しておく必要がある文書の量は大きく増えた。さらに、規制が増えるに従い(しかも、業界や役所の管轄によって異なるルールが適用される)、法令に対するコンプライアンスのために保持しておく必要のあるデータも増えている。

 この記事では、こうした問題全体を俯瞰した上で、電子データ保持のいくつかのベストプラクティスと、特定の業界に関するポイントをまとめる。

情報のライフサイクルを決定する

 自分の組織における情報のライフサイクルを決定するとき、最初に検討すべきことは、情報の保持に関して最小限守る必要がある法令上の要件だろう。古くなった、あるいは組織内で利用するには不適切だと思われるデータも、訴訟対策やその業界の法令を遵守するためには保持しなければならない場合もある。

 米国では、それらの関連法令をすべて把握しようとすることは、迷宮を探索することと似ている。連邦法は業界によって異なっており、対象となる情報の種類もさまざまだ。すべての場面で適用できる一般的なルールは存在しない。たとえば医療分野では、医学的な研究の過程で集めたデータに関する保持の要件は、研究分野や公的研究費の有無によって異なっているし、HIPAA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)には、患者のプライバシーに関する最小保持要件は存在しない。要件は各州によって異なる。

 欧州では、一般にMoReq2010(電子的記録管理のためのモデル要件)が電子的記録管理のための標準だと考えられているが、この仕様にはなんら法的な根拠はない。それでも、電子記録の保管方法について調査を受けた場合には、MoReq2010に従っておくことがもっとも有効な防御策だと見なされる可能性が高い。

 また、世界中の金融機関はFACTA(米国の外国口座税務コンプライアンス法)に準拠したデータ保持と報告が必要となる。FACTAは、米国以外の国の金融機関に対して、「米国の納税者、または米国の納税者が実質的な株式持分を有する外国企業体によって所有される金融口座」の情報を開示することを求める米国の法律だ。FATCAはThe Economistの記事でも厳しく批判されているし、「海外居留米人会」などさまざまな組織から廃止を求められているが、米国市民とビジネスを行うには、文書の保持と作成を行わざるを得ない。

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