大企業のニーズは中小企業のそれとは異なっている。ストレージはその典型だ。必要なデータ容量は数百Gバイト程度では済まず、テラバイト単位、場合によってはペタバイト単位になることもある。また、フェイルオーバーや冗長性、セキュリティ、バックアップも、大企業のストレージでは必要不可欠な要素となる。
このようなニーズを満足できる有望なソリューションはプロプライエタリな製品しかないと考えてはいないだろうか。企業やそこで働く人々にとって幸いなことに、その考えは正しくない。オープンソースは長足の進歩を遂げ、今では大企業のコンピューティングを支える屋台骨になっており、それにはストレージも含まれている。信じられないという人のために、本記事ではオープンソースが企業にとって適切なストレージソリューションとなり得る10の理由を挙げている。ぜひ目を通してほしい。
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#1:自社のニーズにぴったり合ったソリューションを用意できる
市場にはストレージソリューションがあふれているが、自社のニーズにぴったり合う製品は(あったとしても)本当に少ないはずだ。理想的なソリューションが市場にない場合、どうすればよいのだろうか?要件を満たさないかもしれないソリューションで妥協するのだろうか?それではいけない。オープンソースに目を向け、完璧なストレージソリューションを自らで作り上げるのだ。
とは言うものの、ゼロから始める必要はない。利用可能なパーツはたくさん存在しているため、それらを組み合わせ、手を入れることで、自社のニーズにぴったり合ったオリジナルのソリューションを実現できるようになる。すぐに完成というわけにはいかないかもしれないが、完成した暁には満足のいく結果が得られるはずだ。
#2 SUSEの存在
大企業のストレージニーズを満足できる企業はと聞かれると、筆者はSUSEを真っ先に挙げる。このことは、オープンソースのソリューションを求めていたり、オープンソースを広くサポートしているベンダーを求めている場合に特に言えるはずだ。SUSEは今日のLinuxをLinuxたらしめたコミュニティーをサポートするという約束を守ってきている。また、SUSEはこの市場で大きな影響力を持つエンタープライズストレージソリューションをいくつも所有している。
#3:Sambaの存在
Sambaは、市場に出回っているほとんどのプラットフォームをつなげる万能の接着剤だと言える。さまざまな種類のストレージアプライアンスが、デスクトップ機器やサーバ機器、ストレージアレイと連携するためにSambaを利用している理由はここにある。「Samba 4.0」の登場によって、「Active Directory」(AD)との統合もかつてないほどスムーズになった。このため、ADを利用している企業であれば、Sambaの採用によって自前のストレージソリューションを充実させ、運用の大幅な効率化につなげられるはずだ。
#4:クラウドストレージ
Red HatやSUSE、Ubuntuといった企業名を出さずして今日のクラウドは語れない。なぜだろうか?クラウド分野に君臨しているのはLinuxだからだ。この状況が変わる可能性は極めて低い。このため、AmazonやGoogleといったサードパーティーのクラウドソリューションに縛られる必要はない。オープンソースを採用すれば、「ownCloud」や「OpenStack」などを用いて自社内に独自のクラウドストレージを作り上げることも可能になる。