GBあたり月額0.1セント--SUSEの分散ストレージソフト、日本でも提供

三浦優子 2015年03月05日 17時40分

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 SUSE初のエンタープライズ向け分散ストレージソフトウェア「SUSE Enterprise Storage」の提供が3月4日から始まった。オープンソースソフトウェア(OSS)のオブジェクトストレージとファイルシステムである「Ceph」のリリース「Firefly」をベースに、ソフトウェアでストレージを定義できる。SUSEのLinuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise Server(SLES) 12」に最適にチューニングしていることで信頼性や管理性を向上させているという。

 ノベル代表取締役社長の河合哲也氏は、「ストレージ業界は専用機の時代からソフトウェアベースへと大きく市場が転換しようとしている。SUSEがCephベースのストレージを提供することで、従来のストレージ市場を大きく変えるインパクトを与えるのではないかと思っている。ただし、Cephがこの分野での本命になるとは感じているものの、本格的な普及期を迎えるのはまだ先になる。現段階では、超先進ユーザー、クラウドサービスプロバイダーが主な販売ターゲットとなる」と説明する。

河合哲也氏
ノベル 代表取締役社長 河合哲也氏

 「価格は最小構成の4ノードで月額1万ドルからになるが、GBあたりに割ると月額で0.1セント程度となる。低コストを望むユーザーにとってはリーズナブルな価格となるのでは」(河合氏)

まずはCephを定着させる

 SUSEは2012年12月からCephへの投資を開始。概念実証(PoC)やパイロットユーザーを通じてCephの機能と性能の向上を進めてきた。

 Enterprise Storageの提供を開始する背景として「エンタープライズのみならず、コンシューマーの世界でも専用ハードウェアからソフトウェア定義が進行している。特にストレージの世界では、データの容量増大とIT予算をどう抑えるかという課題から、専用機からソフトウェア定義ストレージ(Software Defined Storage:SDS)への移行が進みつつある。その中でソフトベンダーというイメージの強いSUSEがストレージ業界に参入する」と河合氏は解説する。

 Enterprise Storageは、CephベースであることからErasure Codingでの災害耐性強化、キャッシュ階層化での性能強化、ブロックやファイル、オブジェクトの各インターフェースを統合、シンプロビジョニングで容量を最適化、リモートレプリケーションによるビジネスの継続性の実現などの特徴があるとしている。

 Cephは、OSSのIaaS環境構築管理ソフトウェア「OpenStack」で最も人気の高い分散ストレージであり、ギガバイトからペタバイトまで拡張できるという。企業としては、コスト効率の良いクラウドを構築できるとしている。

 Enterprise Storage独自の特徴としては、SLES 12にあわせてチューニングし、ファイルシステムはBtrfsとXFSを選択でき、SLES 12のメリットであるフルシステムロールバック機能に対応、ノードを再起動しなくてもカーネルにパッチを適用でき、ウイルス対策ソフトである「ClamAV」にも対応している。

村川了氏
ノベル SUSE事業部 エバンジェリスト 村川了氏

 「EnterpriseStorageは超高性能という層、高価値やOLTP(オンライントランザクション処理)、収益送出などを目的とした層、バックアップと復元、データ参照などに利用する層、オブジェクトやアーカイブ、データの長期保存など最も利用者が多い層という4階層での利用が想定されるが、1つのソフトでパラメータを変更するだけで全て対応可能で、コスト効率が高い」(ノベル SUSE事業部 エバンジェリスト 村川了氏)

 「SUSE Enterprise Storage Starter Pack」では管理サーバ1台、ストレージサーバの4台となっており、容量と性能に応じてノードを追加して拡張していく。

 日本ではソフトに加え、クラウドストレージ向けPoC支援サービス、Enterprise Storage半日ハンズオンとして機能や管理ツール「SUSE Manager」を利用したプロビジョニング、稼働したままでパッチを適用できるという管理方法などを紹介するコースを用意する。

 日本でのビジネスはクラウドサービスプロバイダーが当初のターゲットとなるが、本格的な普及期については「いつ頃になるのかは、クラウドサービスプロバイダーとの議論になるが、まずCephを定着させること。この分野の本命がCephになるとは感じているが、普及がどう進んでいくのかはまだ見えないというのが正直なところ」(河合氏)と見ている。

 2014年にRed HatがOSSストレージを開発するInktankを買収した影響については「大きな影響はないと考えている」(河合氏)と説明した。InktankはCephを主力技術としている。

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