米国Amazon Web Servicesは、年次イベント「re:Invent」において、AWSのクラウド上のリソースのセキュリティ、ガバナンス、コンプライアンスを容易に維持できる新しいサービスを発表した。今回発表されたサービスは12日から提供を開始した「AWS Key Management Service」、プレビューの提供を12日から開始した「AWS Config」、2015年初頭に提供を開始する「AWS Service Catalog」の3つ。
・暗号化を容易にするAWS Key Management Service
同サービスでは、開発者はAWSマネジメントコンソールからワンクリックでデータを暗号化したり、AWS SDKを使用してサードパーティーのアプリケーションコードに暗号を追加することが可能となる。
一カ所で暗号キーの生成、無効化、閲覧を可能にし、使用ポリシーの定義や、自動で強制的に暗号キーをローテーションする機能を提供。すべてのキー使用の情報を記録し、監査証跡ログをAWS CloudTrailに転送することで、コンプライアンスと規制上の要件の順守に役立てることができる。
また、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)、Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)、Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)、Amazon Redshiftなどのサービスに統合されているほか、ユーザーのアプリケーションに統合できる簡潔なSDKも提供されている。暗号キーは、従来通りハードウェアセキュリティ モジュール(HSMs)を使用して、セキュリティを保護することも可能。
・AWSリソースを可視化するAWS Config
これは、ユーザーの全てのAWSリソース、およびアプリケーションインフラストラクチャ コンポーネント間の関係を可視化し、変更を加えた際のシステム環境への影響を把握、評価できるようにするサービスだ。
AWS Configはセキュリティグループ設定やAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)インスタンスの値タグなど、ユーザーのAWSリソースのコンフィギュレーション属性への変更を継続的に記録する。
この情報は順次管理者に送られ、すべての履歴を閲覧したり、コンフィギュレーション変更がリソース全般に与えた影響を再評価したりすることができ、セキュリティ分析やコンプライアンス監査、トラブルシューティングに役立てることができる。
・AWS Service Catalog
本サービスにより、管理者ユーザーは企業が承認した標準アーキテクチャやコンフィギュレーションを組み込んだ、カスタマイズされた製品のカタログを生成、共有することができる。個人、グループ、部門、コストセンターごとにアクセス権を管理でき、特定のアプリケーションを使用できる人をきめ細やかに把握することが可能。
ライセンスのコンプライアンスを順守するためにアプリケーションを使用できる時間に制限を設けるなど、管理者ユーザーの要件に合ったポリシーを設定することができまる。また、これらの承認された製品カタログは、従業員のセルフサービスのウェブポータルを介して確認できるように設定することもできる。
AWS Service Catalogでは、AWS管理者のユーザーはコンプライアンスを再評価、報告、承認できるように、CloudTrailの使用歴をすべて記録する。