化粧品大手のノエビアホールディングス(ノエビアHD)は、営業部門などの業務部門で使っているビジネスインテリジェンス(BI)システムを刷新した。BI製品を提供したSAPジャパンと構築を支援したTISが8月21日に発表した。
ノエビアHDのBIシステムは、販売代理店の売上分析を目的として、グループの化粧品事業会社であるノエビアの営業部門が導入。後に経営企画や商品企画、マーケティングなどの業務部門でも資料作成やマーケティング分析などに利用するようになっていた。旧システムは、インフラリソースを柔軟に増強できず、レスポンスが低下気味となっており、業務部門からのデータ抽出の要望に容易に対応できないといった課題もあったという。
課題を解決するために複数のBI製品を検討、「SAP BusinessObjects Business Intelligence」の採用を決定した。決め手となったのは、「自由検索機能」と「マルチデータソースへの対応」だったという。クラウド上に構築することとし、インフラ基盤には必要に応じてリソースを増減できる柔軟性と初期コストがかからない点を評価して、IaaS/PaaS「Amazon Web Services(AWS)」を採用した。
BusinessObjects BIの導入は、システム環境の構築、データの追加、ユーザー教育までを2カ月間で完了し、活用している。AWS上に本番環境を構築したことでインフラ基盤の構築が短期間で実現したことが寄与しているという。データを追加していく段階で想定以上にディスク容量が膨らんだ際にも30分足らずで対応できるという。システム構築の各段階で、TISが技術支援と教育支援を展開した。
ノエビアでは現在、新BIツールを利用して、経営企画、商品企画、販売企画の各部門で分析するとともに営業資料、経営資料などを作成している。分析軸は、利用頻度の高い販売代理店別の日別実績と月別実績、明細を出力している。以前とは違って、エンドユーザー自身で自由にデータを検索、抽出して分析できるようになったため、情報システム部門でも負荷が軽減されたとしている。
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