MapR製品のエキスパートであるTed Dunning氏によると、一部のプロジェクトはオープンソースを名乗っているが、その精神をないがしろにしているという。
現在活動しているオープンソースプロジェクトは、必要不可欠なテクノロジを扱うものから、目的があいまいなものに至るまでさまざまだ。しかし、オープンソースのベテランであり、「Apache Hadoop」の指導的立場にいる同氏は、いくつかのプロジェクトが、さまざまな取り組みを実施したり、イノベーションを実現しているにもかかわらず、オープンな製品かつオープンなコミュニティという理念から逸脱していると考えている。
Hadoopのディストリビューションを提供するMapR Technologiesのチーフアプリケーションアーキテクトであり、「Apache Mahout」と、「Apache ZooKeeper」「Apache Drill」というプロジェクトのコミッター兼プロジェクトマネジメント委員会(PMC)メンバーを務め、「Apache Storm」と「Apache DataFu」「Apache Flink」「Apache Optiq」のメンターという側面も持つ同氏は、一部のオープンソースがプロプライエタリソフトウェアの現代的な焼き直しになっていると考えている。
同氏は「まさに焼き直しになっている。ただこれは、かつてクローズドだとされたものほど閉鎖的ではない。しかし、かつてのクローズドソースは、その名が示すほど閉鎖的でもなかった。当時の状況を振り返ってみるとDECも、またIBMでさえも、必要とする人々に対してコードのアクセスを許していた。そして、「HASP」(IBMメインフレームのスプール用プログラム)や「VMS」(DECのOS)のコードに変更を反映できた。つまり、当時の一般的な感覚は、皆で共有するというものだった。ただ、それが単一のベンダー内で起こっていただけの話でしかない」と述べている。
「当時のコミュニティはとても生き生きとしていた。(彼らの)スタンスは公式にはオープンではなかったが、実質的にオープンだった。ひとことで言えば、クローズドソースなオープンコミュニティというとても風変わりな形態だった。その一方で現在は、オープンソースを名乗るクローズドなコミュニティというものが存在している」(Dunning氏)
Dunning氏によると、オープンソースを名乗りながらもコミュニティという側面を重視していないこの種のプロジェクトは、ビッグデータフレームワークのHadoopを取り巻くエコシステムにも戸惑うほど多くあるという。
MapR TechnologiesのチーフアプリケーションアーキテクトであるTed Dunning氏:「現在は、オープンソースを名乗るクローズドなコミュニティというものが存在している」
提供:MapR Technologies