Dropboxは米国時間12月7日、写真共有アプリ「Carousel」と従来の電子メール受信箱の刷新を図った「Mailbox」を廃止すると発表した。一般ユーザー以上に企業向けサービスに重点を置くことを示唆する動きだ。
Dropboxは「チームの取り組みを、コラボレーションと、共同作業の簡素化に集中させている」と共同創業者のDrew Houston氏とArash Ferdowsi氏は説明した。
それぞれ最高経営責任者(CEO)と最高技術責任者(CTO)を務める両氏は、具体的な説明を控えたが、Mailboxの一部の機能は新しいドキュメント管理アプリ「Paper」に統合され、Carouselの一部の機能はメインの「Dropbox」アプリに組み込まれる予定だと述べた。
Dropboxは2013年にMailboxを買収した。クラウドストレージプロバイダーであるDropboxが、モバイルポートフォリオを超える分野へと飛躍し始めた頃だ。
Carouselは2014年にリリースされたが、オンライン写真共有の分野は、FacebookやInstagram、Google、米Yahooが同様のサービスを刷新するなどますます飽和状態となった。
DropboxはIPOを前にウォール街の懸念払拭を図っていると推測されており、エンタープライズ分野での意欲と決意を明確に示してきた。
Houston氏は11月、「Dropbox Business」がその時点で約15万人の企業ユーザーを獲得していることを強調した。さらに、Dropboxは10カ月間で新たに5万人の有料の法人顧客を獲得しており、これは競合のBoxが創業以来獲得した数に匹敵すると述べた。また、製品担当バイスプレジデントTodd Jackson氏は、Dropboxプラットフォームにはこれまで28億件の接続があり、最近では平均で毎時10万の新しい共有フォルダとリンクが生成されていると述べていた。
ドキュメント作成・共同編集ツール「Paper」も招待制で限定的に提供開始されている。Jackson氏は「共同で作業をしながら、既存のツールに紐付けするまったく新しい方法」と表現した。Paperについての情報は限定的だが、「Box Note」「Google Docs」「Evernote」、さらにはコミュニケーションツール「Slack」に対する回答とみてよさそうだ。今後1年ですべてのDropboxユーザーにPaperを提供する予定だ。
Mailboxは2016年2月26日、Carouselは3月31日に終了する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。