Linux Foundationは6月、コンテナ分野で重要な役割を果たすCoreOS、Docker、Googleなどのベンダーを取り込み、「Open Container Initiative(OCI)」を立ち上げた。目的は、コンテナベースのソリューション向けに、ベンターに依存しない移植性のあるオープンな仕様とランタイムを開発することだ。
目的は素晴らしいが、コンテナが実際に標準化される前に管理と技術面での問題は山積している。一部の技術詳細の解決がまだ残っているが、OCIは管理面での重要な課題に取り組んでおり、このほど正式な技術ガバナンス体制を発表した。
OCIはプロジェクトの技術的なロードマップを作成するにあたって、オープンソースガバナンスモデルを用いる。この下で、あらゆる開発者やエンドユーザーはOCIに貢献することができる。
さらにTechnical Developer Community(TDC)を結成し、Docker、CoreOS、Google、Huawei(ファーウェイ)など設立メンバー企業からのメンテナーに加え、独立したメンテナーも加わる。TDCはプロジェクトのメンテナンスのほか、ランタイムと仕様のリリースを受け持つ。
OCIとTDCは、Technical Oversight Board(TOB)を任命する。TOBはTDCと密接に協業してプロジェクト間の一貫性とワークフローを確保する。また、新たなガバナンスモデルには、OCIの商標などを担当するTrademark Boardも含まれる。
これらの作業はすべて重要になる。2014年にコンテナ分断化を思わせる流れがあったからだ。当時、CoreOSがDockerから離れ、独自のコンテナフォーマットを策定した。歴史的にこのような標準の分断は技術の進化と採用を遅らせる。このような戦略的ミスのよい例が、複数の規格が出た1980年代後半から90年代前半のUNIX戦争だ。幸いなことに、今回コンテナを推進する企業はこのような事態を回避すべく賢く動いている。
今後OCIの新しい技術委員会は、以下の価値に合わせて技術開発を進めていくとしている。
- コンポーザブル
- ポータブル(移植性)
- セキュリティ
- 分散型
- オープン
- ミニマル
- 後方互換性
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。