富士通は3月25日、NTTドコモが2016年3月9日に商用開始した、仮想化技術を適用したモバイルコアネットワークのシステム構築を支援したと発表した。
- TechRepublic Japan関連記事:SDN座談会
- 運用管理のあり方を変えるSDNは適材適所で考えるべき
- ソフトのスピード感でネットワークを制御する利点を生かす
- インフラ自動化を支えるSDN--気になるコンテナとの関係
- ネットワークからアプリケーションを理解することの重要性
具体的には、SDN技術を活用した仮想化環境におけるネットワークの構築と、仮想化基盤においてデータの送受信、ユーザー認証、課金などを行うEPC(Evolved Packet Core)ソフトウェアのライフサイクルを管理するVNFM(Virtual Network Function Manager)ソフトウェアを活用し、システムを構築した。
EPCとは、LTE無線アクセスをはじめとする多様な無線アクセスに対応し、ユーザーの認証、移動制御、課金やQoS制御などの機能を提供する、オールIPパケット化を実現したモバイルコアネットワークアーキテクチャ。VNFMソフトウェアとは、EPCソフトウェアの作成、起動、停止、増減設などのライフサイクルを実行するソフトウェアを指す。
富士通では、長年の大規模ネットワークの構築実績やノウハウをもとに、厳しいキャリアネットワークの品質要件を満たし、オーケストレータ(仮想化環境において仮想サーバやEPCソフトウェアの設定を統合的に行う仮想化管理システム)との連携を実現する仮想化ネットワークの構築を支援した。
今回は、シスコシステムズのSDN製品「Application Centric Infrastructure(ACI)」が活用されている。ACIはデータセンタースイッチ「Cisco Nexus 9000」シリーズとコントローラソフトウェア「APIC(Application Policy Infrastructure Controller)」で構成されるファブリック型ネットワークアーキテクチャで、大量のネットワーク機器に対する複雑なネットワーク構成定義の設定を自動化できる。これにより、物理ネットワーク上に仮想ネットワークを迅速かつ容易に構築できたという。
EPCソフトウェアの管理には今回、ノキアのVNFMソフトウェアを活用し、マルチベンダー環境での仮想化基盤とのシステム統合を可能にした。
仮想化ネットワークシステム(富士通提供)