NECは12月25日、ロシア最大の携帯電話事業者であるMobile TeleSystems OJSC(MTS)と、超小型マイクロ波通信システム「iPASOLINK EX」に関する包括契約を締結したと発表した。
iPASOLINKシリーズは、点在する多くのモバイル基地局を収容し、モバイル端末からのデータトラフィックをモバイルコアネットワークへ転送するアクセスネットワークであるモバイルバックホールを無線ネットワークで構築するための無線アクセス装置だ。
iPASOLINK EXは電波の直進性が強く、大気により電波が減衰する影響を受けにくいE-Band帯域(70~80GHz)を用い、256QAMの高変調方式により1.6Gbpsの大容量伝送も可能。近距離かつ大容量伝送ネットワークに適しているとしている。また一体型のプラットフォームで小型軽量、省スペースを実現しており、屋外設置が可能であるため、マイナス30度以下の厳しい環境下においても信頼性を保ち、大容量通信を実現するとしている。
MTSは、加入者約7100万人を擁するロシア最大の携帯電話事業者。同社は現在3GやLTEサービスの普及に伴うデータトラフィックの急増に対応するため、通信容量の拡大やエリア拡充に取り組んでおり、その一環として既存のTDM方式(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)のネットワークから、より効率の良いフルパケット方式のネットワークへの移行を進めている。
NECは、これまで12年以上にわたり、MTSのネットワーク構築に貢献してきた。今後も、iPASOLINK EXの提供をはじめ、同社のネットワークの拡大と強化を支援していくという。