IDC Japanは12月16日、第3四半期(7~9月)の国内サーバ市場動向を発表した。第3四半期の国内サーバ市場規模は1317億円で、前年同期である2012年第3四半期から12.2%増えた。出荷台数は15万6000台で、前年同期から0.6%増加した。
第3四半期は、メインフレームの出荷額が前年同期から58.3%増加し、350億円を超えた。四半期の出荷額が350億円を超えたのは、2010年第1四半期(1~3月)以来。官公庁と金融業向けに、複数の大型案件があったことが要因という。メインフレーム市場は、大型のシステム更新需要がピークを迎えているとした。
x86サーバの出荷額は前年同期比で19.4%増。2012年第4四半期(10~12月)から4四半期連続のプラス成長だった。x86サーバでは平均単価の上昇が見られるという。IDC Japanのサーバリサーチマネージャー、都築裕之氏は「第3四半期のx86サーバの平均単価は前四半期から7.1%上昇した。サーバ仮想化の普及から、メモリなどのオプション製品の搭載量が増加していること、円安で材料費が高騰していることが要因」と分析している。
一方で、RISCとIA64サーバは不振が続いている。出荷額は前年同期から56.9%減。2012年第1四半期から7四半期連続のマイナス成長となった。通信業向けの大型案件が一巡して更新需要の谷間に入っていること、サーバ集約により導入台数が減少していることを理由に挙げた。
ベンダー別では、メインフレームが好調だったNECが2012年第3四半期以来の首位。官公庁と金融業向けに大型案件があった。
2位は富士通で、メインフレームとx86サーバが好調だった。メインフレームは、官公庁と金融業向けに大型案件があり、x86サーバは官公庁、ヘルスケア、金融業、情報サービスなど幅広い業種で大型案件を獲得した。富士通のx86サーバは、2012年第3四半期から5四半期にわたりプラス成長を続けている。
3位は日本IBMで、メインフレームとx86サーバが好調だった。メインフレームは、金融業、官公庁向けに大型案件があり、x86サーバは文教、流通、製造などで大型案件があった。
4位は日立製作所。出荷額は前年同期比で小幅に減少した。メインフレームとx86サーバは大型案件がありプラス成長だったものの、RISCサーバが前年同期から大幅減になったことが響いたとしている。
2013年第3四半期 国内サーバ市場ベンダーシェア(金額ベース)