電話、ウェブ、ビデオを使う遠隔地会議に市場開拓の余地--IDC調査

山田竜司 (編集部)

2013-10-24 17:59

 IDC Japanは10月22日、国内コラボレーティブソリューション市場の企業ユーザー利用動向調査結果を発表した。電話、ウェブ、ビデオの各会議を含む遠隔地会議市場と企業ソーシャルネットワーキング(SNS)市場が成長しているという。

 IDCは電子メールや会議ツールなど、企業内での連携効率を上げるための製品群を国内コラボレーティブアプリケーション市場と定義している。2012年の同市場は前年比1.7%増の497億5700万円だった。このうち、IPコンファレンスシステム市場 (IP電話会議、ウェブ会議、IPビデオ会議など、IP技術を利用した会議システム製品群)は、前年比2.0%増の同287億5800万円だった。2012年はオフィス向け投資が回復基調だったとIDCは指摘する。

 同社が2013年7月に実施した企業のコラボレーティブソリューション利用動向調査では、電子メール/グループウェアは2012年調査と同様利用率が高く飽和状態だった。IPコンファレンスシステムでは、電話会議/ウェブ会議/ビデオ会議など遠隔地会議分野の利用率は、合計すると5割近くに達するものの、電話会議のみなど個別で見ると利用率が20%以下で あるため、市場開拓の余地があるとした。

 企業内で利用するSNSの利用率については、2012年から変化が少なく、「従業員全員が参加している」とした回答者は5.7%、「特定部署やプロジェクトでのみ利用」としたものは16.5%だった。同市場は黎明期であり、今後の市場開拓余地があるとIDCは説明している。同システムの利用意向がない理由として「利用目的が不明確である」としたユーザーが60%以上というデータを挙げた。

 IDCは「ベンダーは、クラウドやモバイルへの対応およびビッグデータ解析、ソーシャルなどの技術を利用し、ユーザーのワークフローに沿ったサービスを軸にマーケティングをするべき」と分析している。

 同調査は2013年7月に従業員数10人以上の企業ユーザー1058社に対して実施した。


企業内ソーシャルネットワーキングシステムの利用状況 調査対象1058社のうち854社が回答(IDC提供)

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