IDC Japanは3月28日、2015年通年の国内サーバ市場動向を発表した。それによると、2015年の国内サーバ市場規模は5070億円で、前年から7.3%増加し、2009年以降では最も高い出荷額となった。また出荷台数は、前年比2.0%減の56万2000台となった。
2015年第4四半期(10~12月)では、2015年第4四半期のサーバ出荷額は前年同期比10.5%減の1199億円、出荷台数は前年同期比8.9%減の13万台となった。
国内サーバ市場の推移: 2005年~2015年(IDC提供)
2015年通年の国内サーバ市場を製品分野別でみると、x86サーバが前年から出荷額を増やしている一方、メインフレームやその他のサーバの出荷額はマイナス成長となった。出荷台数では全ての製品分野が前年比マイナスで、x86サーバの出荷台数がマイナス成長となったのは6年ぶり。新規需要による増加に比べて、サーバ集約による減少が大きかったとみられる。なお、2009年の国内サーバ市場は、リーマンショックの影響により前年に比べ出荷額・出荷台数ともに落ち込んでいた。
また、2015年第4四半期の傾向も同様で、出荷額では、x86サーバが前年同期比で2桁のプラス成長となった一方、メインフレームやその他のサーバは大幅なマイナス成長。x86サーバの出荷額は平均単価の上昇により前年同期比で14四半期連続のプラス成長となった一方、出荷台数はマイナス成長だった。
同社エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの加藤慎也氏は、以下のようにコメントしている。
「2015年の国内x86サーバ市場では、前年に比べて平均単価の上昇により出荷額が増加した。円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことに加え、サーバ集約による1台当たりのメモリなど、オプション類の増加が背景にある」
通年の出荷額をベンダー別にみると、首位を獲得したのは富士通だった。同社は前年に比べ、メインフレームは2桁のマイナス成長だったが、HPC専用機の大型案件が貢献し、x86サーバは2桁のプラス成長となった。2位には、その他のサーバは大幅なマイナス成長だったものの、x86サーバが2桁のプラス成長のほか、メインフレームでもプラス成長を確保したNECがつけている。
3位は日本HPで、同じくx86サーバが2桁のプラス成長、その他のサーバは2桁のマイナス成長だった。4位は、x86サーバは2桁のプラス成長、メインフレームやその他のサーバでは2桁のマイナス成長の日立。5位のIBMは、メインフレームが2桁のプラス成長で、その他のサーバでも前年並みを確保したが、前年のx86サーバ事業のレノボへの移管による出荷額の減少により、順位を一つ下げている。6位はデルだった。
2015年 国内サーバ市場ベンダーシェア【出荷額】(IDC提供)
一方、出荷台数でのベンダー順位ではNECが首位を獲得した。以下、富士通、日本HP、デル、日立製作所、レノボの順になっている。x86サーバ事業の移管によって、IBMに代わりレノボが6位となった。これら上位ベンダーの中では、NECとレノボを除いて出荷台数が減少している。一方で、ODM Directの出荷台数は前年に続いて増加し、上位ベンダーに相当する規模になっている。