NECは4月28日、2015年度(2015年4月~2016年4月)の連結決算を発表した。売上高は前年度比3.9%減の2兆8211億8100万円、営業利益は同16.2%減の1073億600万円。流通・製造業向けの売上高は伸長したものの、官公庁向けと通信事業者向けが減収し、全体として減収減益で着地した。
セグメント別の業績をみると、製造・流通サービス業向けのシステムインテグレーション「エンタープライズ事業」セグメントでは流通サービス業向け、製造業向けともに大型案件があり、売上高3007億円と同11.2%増加。営業利益も増収とシステム構築サービスの収益改善により同139億円増の222億円だった。
官公庁、公共、医療、金融、メディア向けのシステムインテグレーション「パブリック事業」セグメントでは、前年度に官公向けの大型案件があった反動と不採算案件の増加により、売上高7668億円と同6.7%減少、営業利益575億円で同172億円減少した。
通信事業者向けのネットワークインフラ(各種ネットワークハードウェア、携帯電話基地局、光伝送システム、海洋システムなど)を含む「テレコムキャリア事業」セグメントは、海外で海洋システムや通信運用管理ソリューション(TOMS)の売上げが増加した。一方で国内事業が振るわず、セグメント全体売上高は同5.6%減の6989億円、営業利益は同164億円減少の456億円だった。
モバイル端末、PC、サーバ、メインフレーム、スーパーコンピュータ、ATMなどの各種ハードウェアを含む「システムプラットフォーム事業」セグメントは、売上高が前年度並みの7285億円、営業利益は同61億円増加の375億円だった。
同社は2016年度から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用する。IFRSに基づき算出した2016年度業績予想は、売上高2兆8800億円(IFRSで算出した2015年度売上高実績は2兆8248億円)、営業利益は1000億円(IFRSで算出した2015年度営業利益実績は914億円)。セキュリティ関連事業、グローバルキャリア向けネットワーク事業、リテール向けITサービス事業に注力し、収益拡大を目指すとする。