米Red Hatは米国時間4月25日、アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)が、同社のOpenStack商用ディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」ベースのプライベートクラウド環境を構築したと発表した。
施設内での重要なコンピューティング業務を、OpenStackのプライベートクラウド環境で実施し、リソースの需要のピーク時には必要に応じてAmazon Web Services(AWS)などの外部クラウドのリソースを使用できるようにしたとする。
JPLは、太陽系のロボット探査を行うNASAの研究機関。米国初の人工衛星の製造をはじめ、太陽系のすべての惑星に宇宙船を送り込み火星探査車4台を着陸させた実績を持つ。JPLによれば、探査任務は、飛行プロジェクトや任務データを扱う研究者からの要求を処理するコンピューティング能力に左右されるという。
従来、JPLのインフラストラクチャの大部分は施設内のサーバに収められていたが、研究者やエンジニアに大規模で柔軟なクラウドのコンピューティング能力を提供するために、今回、施設内にOpenStackベースのプライベートクラウドを構築した。コンピュートリソースの需要のピーク時には、必要に応じてAWSなどの外部クラウドのリソースを使用できる構成になっている。
Red HatのOpenStackを選んだ理由については、OpenStack Foundationへの長期にわたる参加や、特定のプラットフォームのプロジェクトに対するアップストリームへの貢献からだとする。