日本ヒューレット・パッカード(HPE)は8月30日、ミッションクリティカルx86サーバ「HPE Integrity Superdome X」の新製品を発表した。インテル Xeon プロセッサ「E7 v4」ファミリを搭載し、業界最大級の24Tバイトのメモリを搭載できる。最小構成価格は税別2851万7000円から。
HPE Integrity Superdome X
主な製品概要は以下の通り。
- インテル Xeon プロセッサ E7 v4ファミリーを最大16CPU、384コアまで搭載可能
- メモリ最大24Tバイトまで搭載可能
- 最小2CPUからスモールスタートし、2CPUごとに増設できる
- 物理パーティション(nPartitions)利用で、1きょう体内を複数のOS領域に電気的に分割可能
- 従来のx86サーバには実装されていないさまざまな高信頼性機能を実装、稼働率99.999%を実現(HPEが販売したシステムにおける2014年12月からの実績値)
近年では、これまでの銀行オンラインシステムだけでなく、FinTechやIoTなど新たに社会の重要インフラになるシステムが登場してきており、その影響範囲の拡大に伴い、高い信頼性が求められてはじめているとする。一方、こうした新世代のシステムを構築する企業では、ビジネスを進める速度が非常に速く、若い年齢のエンジニアが多く、従来型のミッションクリティカルシステムの定番である商用UNIXやメインフレームの知識を持っていない場合が多いとのこと。そのため、従来型のアプローチでミッションクリティカルシステムを構築することは、スキル的にも時間的にも困難になっている。
今回、多くのエンジニアが使い慣れているWindows server 2012 R2やRed Hat Enterprise Linux 7を新たにSuperdome Xでサポートする。これらのアプリケーションは特殊なスキルが不要で、99.999%の稼働率のミッションクリティカルシステムを実現できるようになったとのこと。高信頼性を実現する機能はファームウェアなどのサーバ内部に実装されているため、ユーザーはそれらの機能を意識することなく、アプリケーションの実装、開発できる。
また今回、搭載可能メモリ容量も2倍に拡張。従来のSuperdome Xでは1OS領域につき12Tバイトまでのメモリ搭載が可能だったが、今回は1OS領域につき24Tバイトまでのメモリを搭載できる。これにより、「SAP HANA」など大量のメモリを必要とするインメモリデータベースのカバー範囲が拡大し、従来では実行が不可能であった処理を高速に実行できる。
そのほか、Superdome Xに実装されている、複数のCPU同士を接続するクロスバーファブリックの速度も33%向上。これにより、同一システムをより少ないCPUコアで稼動することが可能となり、TCO削減に大きく貢献するとしている。