Microsoftの「Power BI」はアナリティクス市場で成功を収めているツールだ。ただ、開発者にとって本当に使いやすいものとなるまでには、ある程度の時間が必要だった。
「Power BI 1.0」には開発者向けの拡張機能や統合機能がほとんど用意されていなかったものの、「Power BI 2.0」ではデータをクラウドサービスにプッシュするためのAPIが追加された。また最近、「Microsoft Azure」の新サービス「Power BI Embedded」のプレビュー版が提供された。Power BI Embeddedを利用することで開発者は、自らのアプリケーションにPower BIを埋め込めるようになる。また料金は、視覚化機能で発生するレンダー単位となっている。
Power BI Embeddedは米国時間7月11日にプレビュー期間を終え、一般提供が開始される予定だ。価格は、利用された個々の視覚化単位ではなく、レポート全体に基づくものとなる。
一般提供が開始される他の機能
また、Power BIの「Publish to Web」の一般提供が7日から開始された。これにより、個々のレポートをウェブサイトに埋め込み、公開URL経由での無償アクセスを提供できるようになる。さらにMicrosoftは、レポートの共有を可能にする新しい「データストーリーのギャラリー」を提供するとも発表している。
Publish to Web機能と、データストーリーのギャラリーを組み合わせることは、競合製品である「Tableau Public」に対抗するうえでの有効な一手になると考えられる。Tableau Publicのバイラルマーケティングの力を考えた場合、この手は賢明だと言える。
「Cortana」と「Bing」の搭載
これら2つの機能の一般提供が開始されるとともに、「Cortana Intelligence with Bing Predicts」の米国でのプレビューが発表された(「エンタープライズ版」というかたちで実現されないことを期待している)。
コンシューマー向けの「Bing Predicts」に基づくこのサービスによって、顧客はMicrosoftが保有するソーシャルデータや検索データ、ウェブデータを資産として活用し、機械学習による予測分析モデルの精度の向上を図れるようになる。筆者は、このサービスに関するより詳細な情報がMicrosoftから発表されるのを楽しみにしている。
アトランタでのサミット開催について
またMicrosoftは、9月の下旬にジョージア州アトランタで開催を予定している「Microsoft Ignite」の会場で、同社初の「Data Science Summit」を開催すると発表した。こうした開催形式は、2010年にルイジアナ州ニューオーリンズで開催された「Tech Ed」を思い起こさせる。同社は、Microsoft Igniteの前身であるTech Edの場で、「Business Intelligence Conference」(2010年が最後となった)を開催していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。