Googleは米国時間5月24日、さまざまなデータフィードからチャートやダッシュボードを生成するツール「Data Studio 360」の無償版である「Data Studio」を個人および少規模チーム向けにリリースしたと発表した。
Data Studio 360(ベータ版)は、同社が3月に発表した「Analytics 360 Suite」を構成するツールの1つだ。企業のマーケティング部門やリサーチ部門などはこのツールを利用することで、複数のソースから得たデータを視覚化し、レポートやグラフを生成して企業内で共有できるようになる。
同社は今回、「個人や小規模チーム」が無償でData Studio製品を利用できるようにしたとしている。
これは、定評ある他社のアナリティクスプラットフォーム(「Tableau」や「QlikView」、そして2015年にアップデートされ、「Office 365」のサブスクリプションなしに利用できるようになったMicrosoftの「Power BI」など)に対するGoogleからの答えだ。
しかし、Googleの視覚化ツールセットであるData Studioは現在のところ、「Google Analytics」や「Google AdWords」「Google Sheets」「BigQuery」といったGoogleの各種サービスからのデータの利用を主軸に据えている。ただ、近いうちにSQLデーターベース向けのコネクタもリリースされるという。
Data Studioの大きな売りの1つはコラボレーションだ。Googleは「Google Docs」と同じ技術を採用することで、複数チームが同じデータをリアルタイムで編集できるようにしている。
Googleは同社ブログへの投稿で「データは組織内の誰もが容易にアクセスできるようになっているべきだというのがData Studioの基本をなす考え方の1つだ。われわれは、データにアクセスできる人の数が多いほど、より優れた意思決定が行えると確信している」と述べている。
Data Studioのユーザーが生成できるレポートの上限が5つまでとなっているのに対して、Data Studio 360ではそういった制限が設けられていない。しかしいずれのバージョンも、接続できるデータソースの数に制限はなく、閲覧や編集、コラボレーションが行えるレポートの数にも制約はない。
MicrosoftのPower BIの無償版は1ユーザーあたりのデータ容量の上限が1Gバイトである一方、「Power BI Pro」は1ユーザーあたり月額9.99ドルで、データ容量の上限が10Gバイトとなっている。
現在のところ、無償で利用できるData Studioは米国のユーザーにのみ提供されているが、Googleによると2016年中に他の地域のユーザーにも提供する予定だという。
提供:Google
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。