悪名高き「Marcher」マルウェアが、Androidのファームウェアアップデートを装って新たに出現しているようだ。懐疑心の少ないユーザーに悪意あるソフトウェアをインストールさせるため、サイバー犯罪者がコンスタントに戦術を変えてくる最新の例といえる。
Marcherマルウェアが最初に出現したのは2013年3月のことだ。以前は偽のAmazonとGoogle Playストアのアプリが拡散の場だった。MarcherがAndroidデバイスにインストールされると、サイバー犯罪者は被害者にバンキングアプリにログインするようアラートを送る(Marcherは他のOSでは確認されていない)。これにより、情報を盗むことができる。
そして今回、Zscalerのサイバーセキュリティ研究者は、AndroidのファームウェアアップデートにみせかけるというMarcherの最新の汚い手口を発見した。
まず、感染したHTMLページ上で偽のアラートを表示する。ユーザーに自分のデバイスがコンピュータウイルスとデータ窃盗に脆弱な状態であると警告して、「Firmware_Update.apk」という偽のセキュリティアップデートをインストールするよう呼びかけ、AndroidデバイスをMarcherに感染させようとする。
提供:Zscaler
インストールすると、Marcherは感染したAndroidシステムに管理者アクセスを要求する。サイバー犯罪者は裏でデバイスを監視してログインデータを盗む。バンキングアプリや決済アプリだけでなく、「Facebook」「Facebook Messenger」「WhatsApp」「Instagram」「Chrome」「Skype」「Gmail」などのアプリも対象としている。Marcherは、ユーザーがいずれかのアプリを開こうとすると偽のログインページを表示する。
Marcherが継続的にマルウェアの性質を進化させていることから、Zscalerは「もっとも流行しているAndroidデバイスに対する脅威」としている。AndroidユーザーがMarcherに感染しないための最善の方法として、知らないソースからダウンロードせず、Google Playなど信頼できるストアからのみアプリケーションをダウンロードするようアドバイスしている。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。