自律型無人航空機(ドローン)による空撮測量サービスを提供するエアロセンスは、人工知能活用サービスを導入、空撮された画像を処理するプロセスにディープラーニングを取り入れるプロセスを実用化した。プロセス構築を支援したブレインパッドが9月2日、発表した。
空撮測量に使用されるドローン(エアロセンス提供)
エアロセンスは、以前から取り組んできたドローンによる空撮画像の処理精度をさらに高めるべく、画像内に映る物体の把握を行えるディープラーニングに高い関心を持っていたものの、実際の取り組みまでには至っていなかった。今回、ブレインパッドの「機械学習/ディープラーニング活用サービス」を採用することで、その実現を図った。
このサービスは、ユーザーの業務やサービスへ機械学習/ディープラーニングを適用した際の事前の効果検証をワークショップ形式にて提供するというもので、小規模投資でのクイックスタートで利用できる点が特徴。サービスメニューは下表のようになっており、エアロセンスでは今回、「ベーシックパック」を採用している。
「機械学習/ディープラーニング活用サービス」メニュー
ブレインパッドではエアロセンスに対し、空撮画像をもとに自動車の台数を自動検出するワークショップを複数回実施。すでにエアロセンスが導入している「Google Cloud Platform(GCP)」や、同じくGoogleが提供しているオープンソースの深層学習フレームワーク「TensorFlow」などのオープンソースライブラリやツールを使用しながら、画像処理モデルの構築からチューニングまでの一連の基本プロセス習得を進めた。エアロセンスではこのワークショップを通じて、車の誤検出の数が減少するなど高い精度で処理できることが検証され、ディープラーニングの効果を体感できたという。
これによりエアロセンスではディープラーニングによる画像処理の実用化に成功し、例えば資材置き場における資材の自動管理、施設の自動監視などを高精度・低コストに提供することが可能になったという。
ドローンによる空撮画像(エアロセンス提供)
ワークショップに使用したドローンによる空撮画像
エアロセンスは今後、本サービスから得られた知見をもとに、ドローンで空撮した画像から広大なエリアを自動的に監視し、異変のチェックや資材の管理を行うサービスを提供するなど、積極的にビジネス活用していく予定。