Intelは、機械学習やコンピュータビジョン向けの統合SoC(System on Chip)ソリューションを専門とするチップメーカーのMovidiusを近く買収すると発表した。スタンドアロンの仮想現実(VR)ヘッドセットなどの構築に向けて、鍵を握る要素となる可能性がある。
Movidiusが開発した小型チップは、DJIのドローン「Phantom 4」に既に搭載されてその自律飛行を支えている。2016年に入ってからは、同社はレノボとともにVR専用ヘッドセットをまもなく提供すると発表した。
Intelは8月のIntel Developer Forumで、「Project Alloy」と呼ばれる奥行き認識カメラを装備した完全にコードレスのVRヘッドセットを開発する計画を発表した。Movidiusのチップはまさしくこれに合致するように思われる。Project Alloyのリリースは早くても2017年半ばとされている。
奥行き認識対応カメラと小型で低消費電力の機械学習ハードウェアの融合は、高度な拡張現実(AR)を利用するあらゆる小型デバイス(例えば、レノボがまもなく提供予定の「Google Tango」対応スマートフォン「Phab 2 Pro」)や、Microsoftの「HoloLens」のようなスタンドアロンの複合現実(MR)デバイスにおいて鍵を握る要素となる可能性がある。さらには、任意の自律飛行ドローンやロボット、自律走行車にも利用できる。
IntelのNew Technology Group担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるJosh Walden氏はIntel公式ブログの記事で、「拡張現実、仮想現実、融合現実(Merged Reality)、ドローン、ロボット、デジタルセキュリティカメラなど、当社のあらゆる取り組みにこの技術を取り入れることを検討するつもりだ」とした。
Movidiusのプレスリリースの中で、最高経営責任者(CEO)のRemi El-Ouazzane氏は、「オンデバイスでビジョン処理を行う当社の優れたVPU(Vision Processing Unit)プラットフォームと、Intelの業界最先端の奥行き認識ソリューション(Intel RealSense Technology)は、3Dで視界を捉え、環境を理解してそれに応じて移動する自律型マシンに対する強力な組み合わせだ」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。