NVIDIAは「Xavier」と名付けられた新たな「スーパーコンピュータ」SoC(System on a Chip)を発表した。このSoCは、将来の完全自動運転車のコントロールセンターとなることを想定したものだ。
NVIDIAの最高経営責任者(CEO)Jen-Hsun Huang氏は現地時間9月28日、オランダのアムステルダムで開催された「GPU Technology Conference」でこのSoCを発表し、これは「私が知る限りもっとも大きなSoC開発の取り組み」だと語った。
Xavierには、8コアCPUアーキテクチャ、新たな次世代GPUアーキテクチャ「Volta」、新しいコンピュータビジョンアクセラレータが用いられる予定だという。同社によれば、このプロセッサは毎秒最大20兆回の演算を行う能力を持ちながら、消費電力は20ワットに抑えられている。消費電力の抑制は自動車開発では重要なポイントだ。
さらに、Xavierは自動車業界での使用を想定して開発されているため、自動車用機能安全規格「ISO 26262」などの自動車業界の規格に準拠するよう設計されている。
この「スーパーコンピュータ」は、2基のモバイルSoCと2つの単体GPUから構成される「DRIVE PX 2」を含む、現在の自動車で使用されているプロセッサを、数分の1の消費電力で代替できるとNVIDIAは述べている。
自動運転車は、Google、Ford、BMWなどをはじめとする世界中の企業で研究されている。すでにTelsaの自動運転機能など、ドライバーの監視下で半自動で制御する機能を備えたモデルが実用化されているが、高速道路に対応できる自動運転車が実用化され、規制当局の認可が下りるまでには、まだ時間がかかると見られている。
NVIDIAはまた、AI分野での技術開発を加速するため、ドイツのGerman Research Center for Artificial Intelligence(DFKI)とスイスのDalle Molle Institute for Artificial Intelligence(IDSIA)という、欧州の2つのAI研究センターとパートナーシップを結んだことを同カンファレンスで明らかにしている。
Xavierのサンプルは、2017年末までに自動運転機能を持つ自動車を開発している自動車メーカー、研究者、部品供給メーカーなどに提供される予定だ。
提供:NVIDIA
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。