本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、SecureWorks JapanのJeff Multz代表取締役と、米CylanceのNicholas Warnerシニアバイスプレジデントの発言を紹介する。
「DellとEMCの統合はDell傘下の当社にとって非常に追い風になる」 (SecureWorks Japan Jeff Multz 代表取締役)
SecureWorks JapanのJeff Multz代表取締役
米SecureWorksの日本法人であるSecureWorks Japanが先ごろ、Amazon Web Services(AWS)向けの新サービスなどを日本で提供開始すると発表した。同社代表取締役のJeff Multz(ジェフ・モルツ)氏の冒頭の発言は、その発表会見で、Dellのグループ会社であるSecureWorksが、先ごろ手続きが完了したDellとEMCの統合によってどのような影響を受けそうか、と聞いた筆者の質問に対して答えたものである。
SecureWorks Japanが今回発表した新サービスは、SecureWorksのオンプレミス向けセキュリティソリューションと、AWS向け緊急サイバーインシデント対応サービスを組み合わせて使用することで、オンプレミスとクラウド環境の両方のセキュリティ対策を包括的に行えるようにしたものである。
SecureWorks Japanが発表した新サービスの内容
発表の詳細な内容については関連記事を参照いただくとして、ここではDell傘下のSecureWorksがDellとEMCの統合によって受ける影響について、会見の質疑応答で聞いた内容を取り上げたい。筆者の質問に対し、Multz氏は次のように答えた。
「DellとEMCの統合によって、SecureWorksはDell Technologiesのもとで独立企業としてこれまでと変わらず活動していく形になったが、まだ統合による新体制が発表されたばかりなので、どのような影響があるかはこれからの推移次第だ。ただ、大きな方向性としては、統合がSecureWorksにとって非常に追い風になることは間違いない。なぜならば、統合のシナジーを追求することで潜在顧客が大幅に増えるからだ」
冒頭の発言は、このコメントの一文を抜粋したものである。