米Cylanceがアジア初の拠点として日本法人を設立

大河原克行

2016-08-25 07:30

 米カルフォリニア州に本社を持つサイバーセキュリティ企業のCylanceが8月24日、アジア初の拠点として、日本法人のCylance Japan株式会社を設立した。

 Cylanceは、エンドポイントプロテクション「Cylance Protect」の開発、販売を行っており、人工知能を活用した予測脅威防御を高精度で実行できる点が特徴。


米Cylance Inc.ワールドワイドセールス シニアバイスプレジデントのNicholas Warner氏

 米Cylance Inc.ワールドワイドセールス シニアバイスプレジデントのNicholas Warner氏は「シグネチャーやパターンファイルを参照する、旧来型製品では不可能であると考えられていた、未知のマルウェアは防げないという既成概念を覆した。ほとんどのエンドポイントセキュリティは、何かが起こってから対策を打つが、Cylance ProtectはAIを活用して、予見をして対策を打つことができるのが特徴。未知のマルウェア侵入の防御率は99.7%に上る。毎日数多くのマルウェアが誕生しており、予測して、対策することは、サイバー攻撃による被害を防ぐには最も有効な手段になる」とした。

 同社では、Cylance Protectのバージョンを半年から9カ月で進化させており、そのたびに誤検知率も改善しているという。

 「競合他社もAIを活用しようとしているが、まだ戦う土俵には乗っていない。その多くはふるまい検知をしているに過ぎず、DNAレベルでの解析をしていない。現在では、AIを活用したマルウェアは存在していないが、将来的にはAIとAIの戦いになる世界がやってくるだろう。我々は常に進化させており、防御にはより強いテクノロジが求められる」と述べた。

 Cylanceは、エンドポイントセキュリティ、コンサルティングサービス、OEM/テクノロジーパートナーシップのサービスを提供。前年比1100%増という高成長を遂げているとのこと。「すべてのエンドポイントのデバイスを守るのが役割。製造、金融をはじめ、幅広い業種に導入されており、ガートナーのマジッククアドラントにおけるエンドポイントセキュリティ部門では、ビジョナリーの位置であり、今後の売り上げの増加に伴って、リーダーのポジションに変わっていくだろう」と指摘した。

 同社の製品は、リリースからわずか2年で、1000社以上に導入。600万台以上のエンドポイントで使用されているという。なお、来年春にはコンシューマ向け製品を投入する計画だという。

井上高範氏
Cylance Japanのセールスエンジアリングマネージャーの井上高範氏

 Cylance Japanのセールスエンジアリングマネージャーの井上高範氏は、Cylance Protectの特徴について説明。

 「Cylance Protectでは、ディープラーニングの技術を活用して、2億5000個の良いファイルと、2億5000個の悪いファイルに対して、1ファイルあたり10万を超える特徴分析を行い、これにより、マルウェアのDNAを解析。解析作業は、システムに負荷をかけずに実施できる点も特徴である。数理モデルとしてエンドポイントに提供。マルウェア実行制御、メモリ保護、スクリプト制御、アプリケーション制御の4つのプロテクション機能を持つ。また、運用管理はクラウドで提供しており、管理負荷を軽減することができる」としている。

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