ノークリサーチは10月19日、2016年の国内中堅中小市場における「生産管理システム」の導入社数シェアとユーザー評価に関する調査結果を発表した。日本全国、全業種の500億円未満の中堅中小企業を対象にしたもので、有効回答件数は1300社。
調査によると、年商500億円未満の中堅中小企業ですでに導入済の生産管理システム(複数回答可)は、「GLOVIA smart製造」などを提供する富士通がトップで、「EXPLANNER/J」などを提供するNEC、「生産革新シリーズ」などを提供する大塚商会、「iSeries Site」などを提供する日本IBMが続いている。
導入済みの「生産管理システム」製品/サービス(複数回答可)(年商500億円未満全体)
各社のシェアは、代表的な製品を回答した以外に、例えば「富士通製のその他の生産管理システム」といったものも含んでいる。ノークリサーチでは、こうした回答が出てきたのは、パッケージを採用する場合であっても独自のカスタマイズが加わることが少なくいからだと指摘している。
また単体製品では「GLOVIA smart製造」が17.2%と最も多いが、一方で「販売管理システムを利用」という回答が14.3%、「独自開発システム」では「オープンソースをベースとしたもの」や「完全なスクラッチ開発」という回答を合計すると15.4%に上った。
「販売管理システムを利用」という回答について、ノークリサーチでは、「さまざまな受注形態への対応」や「中間工程での在庫管理」といった販売管理、在庫管理に関連する業務の強化、改善を求める声も聞かれることを指摘し、その場合は販売管理システムをベースに個別のカスタマイズなどを加えて生産管理システムとして利用する方が利用企業のニーズに合致しやすいこともあると解説している。
「最も主要な製品/サービスに関して評価/満足している機能や特徴(複数回答可)」と「最も重要な課題の解決策として製品/サービスが持つべき機能や特徴(複数回答可)」の比較(年商500億円未満全体。一部の選択肢項目のみ抜粋)
また、年商500億円未満の企業全体の結果として、「最も主要な製品/サービスに関して評価/満足している機能や特徴(複数回答可)」と「最も重要な課題の解決策として製品/サービスが持つべき機能や特徴(複数回答可)」との対比を行っている。
その結果、「原価が超過した場合の原因特定と改善提示ができる」「廃棄やロスの発生を考慮に入れた原価管理が行える」という項目では、評価/満足している数値と持つべき機能や特徴の数値がそれほど差がなく、満足度が高いことが分かった。しかし、「予測やシミュレーションを用いた原価管理が行える」や「副産物や連産品も含めた原価管理を行える」という項目では、持つべき機能や特徴の数値が大きく上回っており、今後の製品の差別化につながる機能要素だとしている。