伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月25日、企業のIoT活用のための検証施設「IoTデジタルLAB」を開設した。本施設では、数万に及ぶセンサを想定したデータの収集から加工・分析、分析結果の表示や利用まで、IoTについての大規模なデモンストレーションや検証が実施できるという。製造業や流通業を中心に検証サービスを展開し、ユーザー企業のシステム構築を含めたIoT関連のビジネスにより今後3年間で140億円の売り上げを目指す。
IoTシステムのイメージ図
IoTデジタルLABは、IoTでのデータ活用の一連の流れについて、既存システムとの連携や機械学習による分析の高度化を含めて大規模な検証を可能にする施設。CTCでは2012年、マルチベンダー環境でのシステム検証を可能にするCTCの総合検証センター「Technical Solution Center」(TSC)内に、ビッグデータ検証のための施設「Big Data Processing Lab」を開設している。今回は、そのBig Data Processing Labに、各種センサーとの連携機能や、データ分析で手間と時間がかかるデータ形式の統一や異常値の検出などのデータ加工の機能を追加して、新たにIoTデジタルLABとして開設する。
本施設では、デバイスの温度管理や機器の故障予防、スマートデバイスを活用した店舗でのマーケティング、数万台のウェアラブル機器から得られるビックデータの分析など、ユーザー企業の活用シナリオをあらかじめ用意しており、準備に時間をかけることなくIoTに関連した機能や実現の可能性を確認することができるとのこと。
具体的には、各種センサや既存システムからのデータ収集する仕組み、データの一次処理を端末側で行うエッジコンピューティング、異常値の除去やデータフォーマットの統一などのデータ加工、分析の継続的な高度化を可能にする機械学習についても最新のソリューションを用意しており、将来のシステム機能の拡充を含めて多岐にわたる検証が可能という。
また検証前の段階では、ユーザー企業先でのハッカソン開催を含めて、IoTを活用した新規取り組みのアイデア創出を支援し、検証後は、検証結果に基づいてユーザー企業の既存システムに適したIoT環境を構築する。
CTCは今後、IoTデジタルLABを通してIoTビジネスの拡大を図るとともに、IoT関連のソリューションの拡充や、9月に開設したロボット利用を研究するRoBo-LABとの連携も推進して、IoT活用によるユーザー企業のデジタル変革を支援していくとしている。