伊藤忠フィナンシャルマネジメントは、統合型の顧客関係管理(CRM)システム「Microsoft Dynamics CRM Online」を導入し、4月に稼働を開始した。顧客や部署ごとに異なる支払時のチェック条件や留意事項の一元管理することで、必要な情報の共有化を図り検索性と閲覧性を向上。正確かつ効率的な支払業務の遂行と担当者間の引き継ぎ作業の負荷軽減を可能にした。日立ソリューションズが7月19日に発表した。
伊藤忠フィナンシャルマネジメントは、伊藤忠商事の財務と経理業務を担っている。その内の支払業務部では、伊藤忠商事の事業領域ごとに組織されている7つのカンパニーのうち、6つのカンパニーから起案された支払指示書の点検と承認の業務を担当している。
各担当者は点検にあたって、顧客や部署別に支払いをする際の細かなチェック条件を調べる必要があり、これまでは「Excel」や「Word」で個別に管理して共有サーバに保管していた。しかし、情報の一元化ができていないために業務の属人化に加え、情報の検索や閲覧の利便性、派遣社員や育児休暇からの復職社員、ジョブローテーション時の引き継ぎ作業の負荷に課題があったという。
こうした課題に対して、伊藤忠フィナンシャルマネジメントでは今回、誰がどのカンパニーのどのような支払指示書を担当しても効率的に仕事ができるシステムを、短期間で導入することを目指した。
その結果、クラウド型CRMサービス「Microsoft Dynamics CRM Online」が採用され、ベンダーには日立ソリューションズが選定された。
今回構築されたシステムは、アジャイルプロセスの活用や柔軟なスケジュール対応によって、約2カ月という短期間で利用を開始できた。各カンパニーの顧客や部署別の支払時のチェック条件を一元管理することで、情報の共有化、業務の効率化を実現。女性社員が多く、勤務形態の多様化が進む職場での引き継ぎ作業の負荷を軽減し、ジョブローテーションの支援にも寄与しているのこと。
伊藤忠フィナンシャルマネジメントと日立ソリューションズは今後、経費の点検業務などへの利用拡大に向けて、Dynamics CRM Onlineの活用を検討していく方針。