LinuxやmacOSからもSQL Serverにアクセス--マイクロソフト北川氏が解説

取材・文:阿久津良和 構成:羽野三千世 2016年11月24日 07時36分

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 日本マイクロソフトは11月21日、品川本社で「Connect(); Japan 2016」を開催した。米Microsoftが現地時間11月16~17日にニューヨークで開催した開発者向けイベント「Connect(); 2016」を受けて、日本国内でもVisual StudioやSQL Server 2016などの情報をフォローアップする招待制のイベントである。本稿では基調講演で語られた「SQL Server 2016」のSP1(Service Pack 1)と「SQL Server on Linux」、そして「Azure Data Lake Store」の最新動向について紹介する。


日本マイクロソフト エグゼクティブプロダクトマネージャー 北川剛氏

 まず、SQL Server 2016 SP1の最大の特徴は、これまで最上位エディションとなるEnterpriseに限られていた機能の多くが、StandardやExpressといった下位エディションでも利用できる点だ。RDBMSアプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上させる「インメモリOLTP」や「インメモリDW(データウェアハウス)」、機密データを保護する「Always Encrypted」がどのエディションでも使用可能になる。

 Microsoftがこのような選択をした理由は「エディションの機能差がISVパッケージを複雑にするため、ISVの手間をなくすため」(日本マイクロソフト エグゼクティブプロダクトマネージャー 北川剛氏)だ。一見すると大盤振る舞いに見えるが、Standardエディションは4ソケット(または24コア)、128GB、Expressエディションは1ソケット(または4コア)、1GBまでしか利用できない。また、インメモリ並列処理およびOperational AnalyticsをStandardエディションで利用する場合は32GBまで、同時実行も2コアに制限。Expressエディションは256MB、1コアに制限される。そのため、高いパフォーマンスを求める場合は引き続きEnterpriseエディションが必要だ。


SQL Server 2016 SP1 Standard/Expressエディションの新機能(太字)

 Microsoftのデータプラットフォーム製品は、「開発者に幅広い選択肢を提供する」(北川氏)として、HDInsight on LinuxやR Server on LinuxなどWindows圏に留まらない広がりを見せているが、3月にLinux版SQL Serverとなる「SQL Server on Linux」の開発表明とプライベートプレビュー版を公開し、今回新たにパブリックプレビュー版の提供を開始した。

 Linux版SQL Serverは「SQL Server v.Next」と呼ばれる次期SQL Serverをターゲットにしているため、SQL Server 2016 SP1のLinux版ではない。会場ではmacOS上でDockerイメージを展開し、ターミナル(端末)からアクセスするデモンストレーションを披露。「数分で起動するため、アジャイルな開発に役立つ」(北川氏)とアピールした。

 さらに、幅広いアプリケーション実行環境からの接続を可能にするために、JDBCやPHPドライバなどを用意。LinuxやmacOSからもGUIによる接続を可能にするVisual Studio Code extension for SQL Serverを提供する。

 北川氏は、SQL Server on Linuxについて、「SQL Server 2016と同じくオンプレミスでもクラウドでもつながる環境を目指す」と述べた。SQL Server on Linux は、SQL Server v.Nextとして11月から毎月プレビュー版を更新し、2017年中頃のリリースを予定する。


SQL Server on Linuxのデモンストレーション。端末やVisual Studio Codeの拡張機能を使ってアクセスしていた。なお、現時点ではSQL Server管理アカウントのみ利用可能だが今後はActive Directory認証にも対応する予定

 Azure Data Lake Storeは、「ビッグデータの分析ワークロードに対応するエンタープライズ規模のデータ格納倉庫」(北川氏)。さまざまなデータを一度格納し、必要に応じて再利用するといった用途のためのサービスだ。HDFS(Hadoop分散ファイルシステム)と互換性のあるApache Hadoopファイルシステムを採用し、WebHDFSやRESTインターフェース経由でアクセスする仕組みを提供する。ストレージ容量は事実上無制限。格納するファイルサイズもKB(キロバイト)からPB(ペタバイト)まで対応する。

 Azure Data Lake Storeにデータを格納した後は、必要に応じてAzure HDInsightクラスタを構成し、Azure Data Lake Analytics(U-SQLスクリプトを使用)やAzure HDInsightを用いてビッグデータ分析を行う。「自社のビジネスに合致する、精度の高いデータを持つことが重要課題。まずはAzure Data Lakeでデータを蓄積し、SQL Serverを使って慣れ親しんだ環境でデータを再活用してほしい」(北川氏)


Azure Data Lake Storeはビッグデータストレージに位置し、Azure Data Lake Analyticsなどで分析や機械学習を行うソリューションである

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