Microsoftのデータベース製品「Microsoft SQL Server 2016」が一般公開(GA)となった。同製品は約1年のパブリックプレビューを経ており、これまでで最大規模のリリースといってもいいだろう。リレーショナル、ビジネスインテリジェンス(BI)、情報管理などで多数の機能が加わっており、データベース内の分析機能も初めて登場した。
Microsoftは、研究部門を含む自社の技術を多く活用し、買収により獲得した技術も組み合わせて大規模なリリースを生み出した。リレーショナルエンジンやデータウェアハウス、アナリティクスでの主要な特徴は以下のようなものだ。
リレーショナルエンジン
- インメモリのOLTPを実装し、SQL Server 2014の初期リリースより苦痛の種となっていたたくさんの「無駄な」シナリオを削除した。
- JSON(JavaScript Object Notation)でフォーマット化されたデータとの互換性を確保した。これにより、SQL ServerはMongoDBなどのドキュメントストアNoSQLデータベースのようにスキーマの柔軟性をもたらし、新しい開発者に訴求できる。
- 「Dynamic Data Masking(DDM)」「Row Level Security(RLS)」「Always Encrypted」などの機能を導入し、これまでサードパーティーのソリューションを利用していたデータ保護機能がSQL Serverプラットフォームに加わった。
- オンプレミスと「Azure」クラウドのハイブリッド化されたデータベースストレージを可能にする「Stretch Database」が加わった。価格モデルで変更の必要がありそうだが、土台の技術は素晴らしいものだ。
- データの履歴などを追跡できる「Temporal Tables」、クエリ性能をチューニングする「Query Store」などの機能が加わった。
データウェアハウス、ビックデータ
- カラムストアインデックスを大きく改善し、データウェアハウススタイルのクエリをOLTPデータに対して行うことができる。また、別のOLAPキューブを作成することなく、OLAPツールを使ってデータウェアハウスとデータマートに直接クエリをかけることができる。
- SQL ServerとHadoopの統合技術である「Polybase」が、メインストリームのEntepriseバージョンに加わった。これまでは並列データウェアハウスの特別なバージョン(SQL Server Parallel Data Warehouse)などで利用されていた技術だ。
高度なアナリティクス
- Rプログラミング言語がリレーショナルエンジンに統合された。「R Services」を利用して、リアルタイムで大規模なオペレーショナルデータの分析がSQL Server内で実行可能になった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。