北欧発のコンフォートシューズブランド「ECCO(エコー)」を展開するエコー・ジャパンは、自社オンラインストアのプラットフォームにクラウドベースのソリューションを採用、本格的に稼働を開始した。ソリューションを提供するセールスフォース・ドットコムが12月12日、発表した。
エコー・ジャパンは、2011年の日本法人設立以来、eコマース事業に注力してきた。同社にとって、アジアの中でも特にデジタルコマースの土壌が整っている日本市場への期待は大きく、エコー・ジャパンでは2020年までに日本国内のデジタルコマースの売り上げを現状の5倍にし、全体の売り上げ比率も10%まで引き上げるという目標を掲げている。
この目標達成に向けて、同社ではECCOブランドの世界観を国内でも適切に発信し、ブランドの認知度と理解を向上していくと同時に、オンラインショッピングサイトの使いやすさを追求しているという。
目標に沿って今回新たに採用を決めた基盤は「Salesforce Commerce Cloud」。ブランドが、ウェブ・モバイル・ソーシャル・店舗など、さまざまなチャネルでショッピングをする各顧客に最適化したショッピング体験を提供できる、クラウドベースのソリューション。
既にECCOが北米で展開するeコマースサイトで実績を上げており、日本でも同様に導入した。これにより同社は、配送時間の指定設定や配送の無料化といった詳細なローカライズも含め、日本の消費者が親和性の高いオンラインショッピングの体験を実現するために、これまで以上に柔軟でタイムリーなカスタマイズ設計をしながら、グローバルで統一したブランドイメージを訴求するeコマースサイトを強化することが可能になるという。
また、エコー・ジャパンでは在庫の削減を目標として、まず倉庫在庫の一元化を図り、流通在庫の一元化の実現に向けた取り組みも進めていく。endless aisle機能の採用により、実店舗とデジタルコマースで倉庫在庫・流通在庫を共有することで、シューズ産業の課題でもあるサイズリスクによる売り逃しの大幅な削減が見込め、店舗一律10%近くの売り上げ増加の効果も期待されている。
同社では今後、本プラットフォームを販売の場として利用するだけでなく、ソーシャルメディアなどと連携することによってメディアとしても活用し、ブランディングツールの1つとして、他の販売チャネルにも寄与するデジタルコマースプラットフォームの実現を目指す。
さらに、現在利用しているOne to Oneマーケティングを実現するマーケティングプラットフォーム「Salesforce Marketing Cloud」と「Commerce Cloud」の連携も視野に入れており、1人1人に最適化し、統合したカスタマーエクスペリエンスの提供に向けて、「Commerce Cloud Einstein」も採用している。