調査

日本の労働生性、時間あたりでは8年ぶりに過去最高を更新

NO BUDGET

2016-12-17 07:00

 公益財団法人日本生産性本部は11月2日、「日本の労働生産性の動向 2016年版」を公表した。それによると、2015年度の日本の労働生産性は、8年ぶりに過去最高を更新したことが明らかになったという。報告書の本文は、日本生産性本部 生産性研究センターのサイト よりダウンロードできる。

 日本の2015年度の労働生産性の主な動向は以下の通り。

  • 日本の時間あたり労働生産性(就業者1人あたり付加価値額)の現状
  •  2015年度の日本の時間あたり名目労働生産性(就業1時間あたり付加価値額)は4518円だった。リーマンショックに伴って2008年度に大きく落ち込んだ後、しばらく停滞基調が続いていたが、2014年度にこれまでのピーク水準(4416円/2007年度)を回復し、2015年度は8年ぶりに過去最高を更新した。


    日本の時間あたり名目労働生産性の推移

     2015年度の時間あたり労働生産性上昇率は0.9ポイント増となった。就業者の増加が生産性上昇にマイナスに寄与したが、実質経済成長率(+0.8%)がプラスに転じた。労働者全体に占める比率上昇が続くパートタイム労働者で労働時間が短くなっていることもあり、就業者1人あたり上昇率より0.5%ポイント高くなっている。


    時間あたり実質労働生産性上昇率の推移

     なお、2015年度の労働生産性上昇率がプラスに転じたのは、0.9%程度の「ゲタ」をはいていたことが影響している。「ゲタ」とは、比較対象となる前年度に経済環境等が大きく回復して年度最終四半期の水準が年度平均を上回ったとき、次年度の上昇率がその分だけプラスにかさ上げされる統計上の効果であり、その分を控除すると2015年度の実質労働生産性上昇率は0%近傍にとどまる。四半期ベースでみても、経済成長率が伸び悩む中で就業者が増加する状況を背景に、2015年度を通じてほぼ横ばいで推移している。


    実質労働生産性上昇率の推移(四半期ベース前期比/季節調整済値)
  • 日本の労働生産性(就業者1人あたり付加価値額)の現状
  •  2015年度の日本の名目労働生産性(就業者1人あたり付加価値額)は784万円となった。名目ベースでみると、リーマンショック後に大きく落ち込んだ後、停滞する状況が続いていたものの、2011年度に底打ちしてから4年連続で上昇が続いている。


    日本の名目労働生産性の推移

     2015年度の労働生産性上昇率は+0.4%で、消費税率引上げによる景気後退からマイナスとなった前年度(-1.5%/2014年度)に対し1.9%ポイント改善し、2年ぶりのプラスへと回復した。


    日本の実質労働生産性上昇率の推移(1995~2015年度)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]