VMware NSXも重要なセキュリティ製品
では、Dell TechnologiesにとってRSAはどのような存在になるのか。Dell氏は、「Dell Technologiesの顧客とってセキュリティは重要なトピックであり、(製品提供の)ニーズは増している」と、セキュリティ部門の重要性を力説する。
ただし、Dell Technologiesは、2011年に6億1200万ドルで買収したキュリティ運用管理サービスを提供する「SecureWorks」を有する。今回の買収でDell Technologiesは、2つのセキュリティブランドを持つことになる。両者は統合されるのか。この質問に対しDell氏は、「両社が得意とする分野は異なる」と説明する。
「RSAは自社でセキュリティ オペレーション センター(SOC)を構築したい顧客に対し、インフラからネットワーク、エンドポイント監視まで、セキュリティ脅威を検出/可視化/対応するソリューションを提供している。一方、Dell SecureWorksは、すでにSOCを運用している企業に対し、運用支援やセキュリティ管理サービスを提供することに重点を置いている。両者はそれぞれ多くの顧客を有しており、今後もこれまでと同様に、顧客を支援していく」(Dell氏)
Dell氏は、「Dell Technologiesが提供するセキュリティソリューションは、RSAとSecureWorks(の製品/サービス)だけではない。例えば、サーバやネットワーク製品、さらにクライアントには暗号化などのセキュリティ機能が組み込まれており、セキュアな製品として提供している」と主張する。
また、Dell氏が「インフラの最適化とセキュリティ担保の観点から重要な製品」として位置づけるのが、ネットワーク仮想化製品の「VMware NSX」だ。
2016年8月に開催された「VMworld 2016」の記者会見に登壇したDell氏(左)とVMwareでCEOを務めるPat Gelsinger氏(右)。同会見でDell氏は「買収後もVMwareのオープンエコシステムを継続していく」とコメントしていた
VMware NSXは、基盤となる物理インフラストラクチャからセキュリティ機能を分離し、仮想マシンごとにファイアウォールを適用できる「分散ファイアウォール」機能が備わっている。これにより、これまでは難しかった仮想マシンの単位でのセキュリティ制御が可能になる。例えば、同じネットワーク上の仮想デスクトップ間でも、きめ細かい通信制御ができるというわけだ。
Dell氏は、「分散ファイアウォールを利用したマイクロセグメンテーションは、今後のネットワークセキュリティを考えるうえで必要なものだ。またVMware AirWatchも、モバイル管理を提供する。われわれはこうしたセキュリティ技術を、(ブランドの枠にとらわれず)クロスオーバーで顧客に提供していく」とコメントした。