調査

中堅企業の2割、“働き方改革”で支出増加、「業績にマイナス」:ノークリサーチ

NO BUDGET

2017-02-26 07:00

 ノークリサーチは、2月20日、ビジネス環境変化がIT投資に与える影響に関する調査の結果を発表した。

 調査対象企業は、年商500億円未満の国内民間企業700社の経営層/管理職/社員で、業種は、製造業/建設業/流通業/卸売業/小売業/IT関連サービス業/サービス業。調査実施時期は、2017年1月末〜2月初旬。

 「働き方改革」「インバウンド対応に関連したIT活用」「米国の新大統領就任」の3項目に関して、自社ビジネスに関する影響をたずねた結果が示された。

 「働き方改革」については、中堅・中小企業からは 「元請けから要求される仕事量や期限が変わらない限り、効率化だけで労働時間を短縮することは難しい」という声も挙がっているという。または月末金曜日の早期退社を促す「プレミアムフライデー」については歓迎する声もあるが、経理担当者などからは「月末の締め処理と重なるため、業務への影響が心配」という指摘もあり、小規模な飲食業では、「人材の確保が難しいため、恩恵を受けられないかもしれない」という声も聞かれるという。


働き方改革の影響(年商別)

働き方改革の影響(業種別)

 「働き方改革」の業績とIT投資への影響については、調査対象企業のいずれの年商帯においても 「業績にマイナスとなる」の割合が「業績にプラスとなる」を上回った。とくに年商50億円以上〜500億円未満の中堅企業層では、「業績にマイナスとなるが、IT支出は増える」という回答割合が15〜18%程度となった。ノークリサーチでは、この結果について、中堅企業は中小企業よりも従業員数が多く、「働き方改革」を実践する際に人事/給与システム等にも対応が必要となってくることを要因の1つとして挙げている。

 また、ITソリューションを提供する業種では、「ユーザ企業の業績に関係なく訴求できるソリューション」ということになるが、法制度などの強制力に基づくIT活用提案に頼りすぎると、中長期的にユーザ企業のIT投資意欲を減退させる要因にもなるとし、「業務改善に繋がるメリット」も合わせて訴求できることが望ましいとした。

 業種別では、「IT関連サービス業」以外では「業績にプラスとなる」の割合が2割程度に留まった。「建設業」と「小売業」では他の業種と比べて「業績にプラスとなる」の割合が低くなり、店舗や現場での勤務が必須となると業務効率改善策を適用しづらいことが明らかになった。

 一方、「インバウンド対応に関連したIT活用」では 「業績にプラスとなり、IT投資も増える」との回答割合は「業績にプラスとなるが、IT支出は増えない」の割合と同程度または若干低くなる結果となった。ノークリサーチでは、今後はコンテンツの英語化だけではない取り組みが求められていく可能性が高いとし、国別の食習慣や趣味趣向を業者間で共有するなど、一歩進んだIT活用の取り組みを検討することが重要だとした。

 「米国の新大統領就任」については、「業績にプラスとなる」が7.8%、「業績にマイナスとなる」が16.8%となったが、「今は判断できないが、動向に注目している」が38.1%に達する結果となった。

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