バックアップソフト「Arcserve UDP」新版、リストア可否を自動で確認

NO BUDGET 田中好伸 (編集部)

2017-03-08 14:51

 arcserve Japanは3月6日、バックアップ/リストアソフトウェアの新版「Arcserve Unified Data Protection(UDP) v6.5」とバックアップソフトウェアの新版「Arcserve Backup r17.5」の受注を開始した。3月13日から出荷する。税別価格は、UDP v6.5が1年間の保守サポートを含めて10万円から。Backup r17.5が15万円から、

 UDPの物理アプライアンス版として24Tバイトの「Arcserve UDP 7320 Appliance」は4月3日から受注する。税別価格は5年間のハードウェアやソフトウェアの保守サポートを含めて640万円。

 UDP v6.5は、クラウドをリモートサイトとして活用したリストア時間不要の事業継続対応、バックアップデータの健全性を自動的に確認する機能などを搭載。Windows Server 2016にも対応する。

 クラウドのリモートサイト機能では、Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」でバックアップデータからあらかじめ仮想マシンを作成しておくことが可能になった。仮想スタンバイによってリストア時間が不要になるため、業務サービスをEC2上ですぐに再開できる。

 AWSのオブジェクトストレージサービス「Amazon Simple Storage Service(S3)」を利用したコスト削減策も強化する。新版では、S3に加えて、S3と互換性があるクラウドストレージに復旧ポイントをコピーできる。

 従来のUDPでもクラウドストレージへのバックアップ機能は搭載されているが、サポートするクラウドストレージは同社が認定したものだけだった。新版では、重要なファイルをコピーするクラウドストレージとしてS3やS3互換をサポートする。3月1日の会見でソリューション統括部プリンシパルコンサルタントの渡邊結子氏は、機能強化のメリットとして「クラウドストレージを自由に選択できる」ことを挙げた。S3互換ストレージはオンプレミスでも活用できることもメリットとして挙げている。

arcserve Japan ソリューション統括部 プリンシパルコンサルタント 渡邊結子氏
arcserve Japan ソリューション統括部 プリンシパルコンサルタント 渡邊結子氏

 S3については、Linux環境から直接バックアップできるようにもなっている。オンプレミスでのディスクを節約できるともに、S3からオンプレミスのベアメタルリカバリもできるようになっている。

 バックアップデータの健全性確認では、バックアップしたデータを本番データと同じ状態で自動的に確認できる「アシュアードリカバリ」機能を搭載した。これにより、バックアップデータの破損に気付かずにバックアップ運用を継続してしまい、いざという時に正しく復旧できないという事態を防ぐ。

 新版ではまた、Window Server 2016やHyper-Vでの仮想環境、そしてその混在環境を統合的に保護する。SQL Server 2016、Exchange 2016、Active Directoryなどのアプリケーションのオンラインバックアップにも対応する。

 クラウド対応強化の一環として、Office 365のExchange Onlineのデータも保護できるようになった。クラウド上のメールデータをオンプレミスにバックアップ、保管するだけでなく、完全に削除したメールボックス、予定表、タスクなどをアイテム単位で柔軟に復旧できる。

 新版ではまた、指定された期間に利用可能な復旧ポイントを可視化するRPO(Recovery Point Objective、目標復旧時点)レポートと、実際の復旧時間と目標の復旧時間の値の比較結果を可視化するRTO(Recovery Time Objective、目標復旧時間)レポートを自動生成する。このレポートを活用することで経営層やユーザー部門にサービス品質水準(SLA)を確保できることになり、業務継続性を向上できると意義を説明している。

 Backup r17.5は、バックアップ先として、テープやディスクに加えて直接クラウドストレージにバックアップできるようになった。Amazon Storage Gatewayをサポートし、Storage Gatewayが提供する仮想テープライブラリ(VTL)をオンプレミスサーバのバックアップ先として利用可能。Windows Server 2016もサポートし、バックエンドデータベースとしてSQL Server 2016を利用できるようになった。

 UDP 7320は、バックアップ先ストレージを24Tバイト内蔵し、同社独自のI2テクノロジによる継続的な増分バックアップ機能を搭載している。重複排除のハッシュ領域用に480Gバイトのソリッドステートドライブ(SSD)を標準搭載している。

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