アクロニス、バックアップ製品新版を発表--マルチクラウド環境のデータを一元管理

吉澤亨史

2016-09-13 07:00

 アクロニス・ジャパンは9月7日、法人向けのバックアップ・データ保護製品「Acronis Backup 12」を発表した。クラウドとオンプレミスのハイブリッド保護機能などを搭載し、メジャーバージョンアップは4年ぶりとなる。

 「Acronis Backupは中核と製品」と話す同社の代表取締役である大岩憲三氏は、データにおける脅威は障害や災害といった従来からの脅威に加え、ランサムウェアや標的型攻撃といったセキュリティの脅威も深刻になっていると指摘。ハイブリッド環境やマルチクラウドの利用が増え、すべてのITの一元管理のニーズも増加していると説明した。


アクロニス・ジャパン 代表取締役 大岩憲三氏

 Acronis Backup 12はこうしたニーズに応え、従来製品の機能統合と拡張、クラウド対応の強化、仮想化環境のバックアップの強化、さらにアプリケーションも含めたバックアップの一元管理を実現したという。

 同社のセールスエンジニアマネージャーである佐藤匡史氏は、Acronis Backup 12の特徴として「簡単」「包括」「安全」「高速」「信頼」のキーワードを挙げた。新機能としては、新たにウェブベースのコンソールを提供、あらゆるプラットフォームのバックアップや復元を一元管理できるようになった。もちろんオンプレミスの管理サーバを利用できるが、クラウドでは管理サーバは不要となる。


 また、「Microsoft Azure」と「Amazon EC2」の環境でイメージバックアップおよびベアメタル復元が可能になり、ファイル単位のバックアップ・復元にも対応した。さらに、「Acronis Universal Restore」を搭載することで、物理環境、仮想環境、クラウドの異なる環境間でバックアップデータの移行が可能になっている。

 仮想環境においては、変更ブロックのみの復元にも対応し、復元時間も大幅に短縮した。ハイパーバイザ部分のオンラインバックアップ、ベアメタル復元も可能になった。さらに「Acronis Instant Restore」によって、バックアップアーカイブから直接VMを起動できるようになった。VMの動作に必要なデータのみを展開するためRTO(目標復旧時間)を数分にすることが可能となり、事実上復元が不要となるという。


 デバイスへの対応については、Macでのイメージバックアップ・ベアメタル復元・ファイル単位・ローカルストレージにも対応した。また、iOS・Androidの主要データのバックアップにも対応。これらのバックアップデータをクラウド経由でAcronisのクラウドやオンプレミス環境に保存し、一元管理が可能になる。

 佐藤氏は、これらの新機能および機能強化のデモを実施、Acronis Backup 12により「クラウドとオンプレミスのハイブリッド保護」「あらゆる環境間の移行・復元」「すべてのデータ保護の一元管理」といった機能を提供するとまとめた。

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