矢野経済研究所は、2月24日、フォースフィードバックデバイス世界市場に関する調査の結果を発表した。
フォースフィードバックは、スマートフォンやゲーム機のコントローラなどの入力装置についている機能の一種で、入力に反応して筐体ないし画面などを振動させ、利用者に擬似的な感覚を与える機能。同調査における、フォースフィードバックデバイス市場とは、ERMやLRA、圧電アクチュエータ(Piezo 素子)などのフォースフォードバック機能を具現化するための主要デバイスであるアクチュエータを指す。
これによると、2017年の同市場は、スマートフォンに加えスマートバンドやスマートウォッチ、HMD(Head Mounted Display)、 指輪型、ウェア型等のウェアラブルデバイス市場の成長によって、前年比139.7%の1519億2,200万円と予測されるという。また、2016年から2020年までの年平均成長率は17.4%になり、2020年の市場規模は2064億6,700万円に達すると予測される。
フォースフィードバックデバイス世界市場規模推移・予測
2015年は、スマートフォン市場の成長減速で出荷数量は横這いとなったものの、ERM(Eccentric Rotation Mass:偏心モータ)から高品位で単価の高い LRA(Linear Resonant Actuator:リニア共振アクチュエータ)への置き換えが進み、前年比133.4%の1052億3,700万円となった。
また2016年は、ERMの落ち込みが影響し、1087億5000万円(前年比103.3%)の微増が予測されている。しかし一方で、LRAへの乗り換えは進み、2017年のフォースフィードバックデバイス世界市場規模に占めるLRA比率は74.9%へ上昇すると予測されている。
この調査は、フォースフィードバック用アクチュエータメーカー、駆動ICメーカー、ソフトウェアメーカーなどを対象に、専門研究員による直接面談、電話、e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用で実施された。調査期間は、2016年10月〜2017年1月。市場規模はスマートフォンメーカーなどの購入金額ベースで算出しており、呼び出しブザーなどに使われるバイブ機能しか持たないアクチュエータは含まない。