情報処理推進機構(IPA)は3月29日、偽のPCサポートを持ち掛ける手口への注意を呼び掛けた。2016年秋から被害相談が多数寄せられる状況にあり、最近ではユーザーをだます手口が巧妙化している。
この手口では、ユーザーがPCなどを操作している最中に、いきなり「ウイルスに感染している」などと警告画面が表示され、「サポート窓口」と称する電話番号などへの連絡を要求する。ユーザーが連絡すると、相手から詳細不明のソフトをインストールさせられるなどの被害が確認されている。
IPAへの相談件数は2016年に入って増え始め、同年8月以降は毎月200件以上の相談が寄せられている状況にある。
IPAへの相談件数の推移(出典:IPA)
ユーザーをだます手口は、ウイルス感染の偽警告のほか、1月にはマイクロソフトのサポートをかたり、セキュリティソフトの異常を知らせる偽のメッセージを表示するものが出現。日本マイクロソフトもユーザーに注意喚起し、通報を受け付けるページも設置した。
IPAによると、最近ではマウスのポインターが移動するアニメーションが表示させる手口や、Windows Defenderに似せた画面でウイルス感染をうたう偽警告の画面を表示する手口、「5分以内に電話をかけるように」と時間制限でユーザーをあおる手口も確認された。また、ウェブブラウザを勝手に全画面表示に切り替えて、URLを細工した偽のアドレスバーを表示させる手口も出現している。
いずれの手口も、PC操作に不慣れなユーザーをだまして不安をあおり、連絡するように仕向ける狙いがあるとみられる。実際にPCで問題が生じているケースはほとんどなく、まずは落ち着いてブラウザをいったん閉じるなどの対処で回避できる。IPAは、「警告などをうのみにせず、メーカーのサポートや公的機関に相談してほしい」と呼びかける。
連絡してしまうと、相手の指示に従って遠隔操作ソフトをインストールさせたり、有償のサポート契約を結ばされたりする恐れがある。
以下はユーザーをだます画面の一例。