総務省は、3月31日、「平成28年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」を公表した。
この指標は、全国の高等学校1年生相当の青少年、約1万4800人、89校を対象に実施した実態調査の結果を基にまとめたもの。調査は、青少年のインターネットリテラシーを可視化するテストと、インターネットなどの利用状況に関するアンケートで構成されている。
可視化テストでは、平成28年度の全問正答率は67.2%。平成27年度と同一の問題・参加校で比較すると、正答率は68.9%となり、前年度正答率(71.0%)をやや下回った。
スマートフォンの1日の平均利用時間は、平日・休日とも2~3時間が最も多い。また平日は68.4%、休日は85.2%の青少年が1日に2時間以上利用しており、他の通信機器と比べて利用時間が長い。
約半数の青少年は一度も会ったことのないSNS上だけの友人がいる。11人以上いると答えた青少年は22.0%で、SNS上だけの友人の平均数は男子よりも女子の方が多い。
フィルタリングサービスに関して、70.8%の青少年が「有用である」と回答、76.6%が必要性を認識している。しかし利用率は48.3%。
利用時間のうちSNSが占める割合が6割程度を占める。その次に多いのが利用時間1時間未満の青少年では情報収集、1~3時間程度の利用者では動画視聴、4時間以上の青少年ではオンラインゲーム。一方「学習」目的での利用はほとんどなかった。
同省では、フィルタリングの意義について理解している青少年や、フィルタリングを利用している青少年はリテラシーが高いとし、フィルタリングの必要性、意義などを青少年自らが考える機会を設けることが重要としている。また、スマートフォンやSNS利用に関する家庭のルールがある青少年は、リテラシーが比較的高いため、正しいリスク認識や家庭での話し合い・ルールづくりの促進、フィルタリングの意義などに対する保護者の意識の向上等が重要としている。