ビジネスメール詐欺

標的型攻撃が下火に? 「変わらず注意が必要」とIPA

ZDNet Japan Staff 2017年04月28日 11時33分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 情報処理推進機構(IPA)は4月27日、重要産業分野の企業などと連携する「サイバー情報共有イニシアティブ」(J-CSIP)の1~3月の運用状況を発表した。2012年度の運用開始後では初めて、標的型攻撃メールとみなされた共有情報がゼロ件だった。

 J-CSIPは、サイバー攻撃などの脅威情報を参加組織が共有する体制で、4月27日現在では8業界115組織が参加する。運用状況は四半期単位でIPAが公表している。


J-CSIPの体制(出典:IPA)

 3カ月連続で標的型攻撃メールの情報がゼロ件だったのは初という。これまで最も少なかったのは、2015年度と2016年度のそれぞれ第3四半期(10~12月)で19件だった。

 しかしIPAでは、2017年1~3月も国内で標的型攻撃の発生を観測。少なくとも10件以上の標的型攻撃メールの着信があり、その一部は2016年以前から続く攻撃だという。このためIPAでは、「標的型攻撃の脅威が衰えたという認識はなく、今も変わらず注意が必要であると考えている」としている。

 標的型攻撃メールの観測数は、2015年頃から減少傾向にあり、明確でないものの2つの理由が想定されるという。1つは、攻撃の手口が巧妙化して現状の対策では検知がしにくいというもの。もう1つは、対策による防御効果から攻撃を認知、確保することがなく、共有される情報が発生していない可能性を挙げている。

 ただし後者については、防御された大量の無差別型の攻撃メールの中にごく少数の標的型攻撃メールがまぎれていたことも考えられるとし、結果的に防御できても標的型攻撃の兆候を発見しにくくなる恐れがあると指摘する。


過去5年間の運用状況(出典:IPA)

 なお、2016年度通期ではIPAへの情報提供件数が前年度比で約10倍増の2505件に達し、過去5年間で最多だった。要因は無差別型攻撃メールの急増にあるが、「ビジネスメール詐欺」(BEC)と呼ばれる犯罪メールが出現するなど、引き続き注意すべきとしている。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算