Googleは、多くのHTTPページに「Not secure(保護されていません)」と表示する計画の次の段階に備える時間として、ウェブ開発者に6カ月の猶予を与える。
「Google Chrome」ですべてのHTTPページに「Not secure」と表示するGoogleの計画は、10月より第2段階に入る。
Googleは1月、「Google Chrome 56」のリリースに併せて、HTTPの一部のページで安全性の警告表示を開始した。この段階で影響を受けたのは、ウェブ上でログイン情報や決済カードデータなどの機密情報を送信するページだ。
Chromeは10月より、ユーザーがHTTPページで何らかのデータを入力できるようになっていれば、そうしたページに安全性の警告を表示する。Googleはこの表示について、テキストボックスを含むすべてのページに適用されると強調している。
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GoogleでChromeセキュリティチームの製品マネージャーを務めるEmily Schechter氏は、次のように述べている。「ユーザーがウェブサイトに入力するいかなるタイプのデータも、ネットワーク上で他者がアクセスできるものであってはならないため、Chromeのバージョン62から、ユーザーがHTTPサイトにデータを入力しようとすると『Not secure』という警告が表示される」
HTTPページへの警告表示が強化されることで、サイト所有者にウェブサーバ上で必要なSSL/TLS証明書を取得してHTTPSを設定するよう迫る圧力が強まる可能性が高い。また、すべてのユーザー入力フィールドに警告を表示するとなれば、テキストボックスを含むページの多さを考えると、ログインページや決済ページより対象範囲は拡大する。
米国時間10月24日に安定版のリリースを予定している「Google Chrome 62」でHTTPSを使えるようにするまで、サイト所有者に残された時間は約半年だ。
Chrome 62では、ユーザーがChromeの「Incognito」モード(シークレットモード)を選択した場合も、すべてのHTTPページに警告が表示されるようになる。
Schechter氏は次のように述べている。「IncognitoモードでChromeをブラウズするユーザーは、プライバシーがより強化されていることを期待するだろう。しかし、HTTPでのブラウジングはネットワーク上の他者に対してプライベート(非公開)ではないため、Chromeのバージョン62では、IncognitoモードでHTTPページを訪問するユーザーにも警告を表示する」
Googleはいずれ、すべてのHTTPページに安全性の警告を表示する予定だ。そうなれば、現在は壊れたHTTPSページでのみ使われている表示のように、赤字で「Not secure」と表示されるようになる。
Googleが率先してウェブをHTTPSに移行しようとしているもう1つの狙いは、開発者に対し、JavaScriptの「Service Worker」を通じてプログレッシブウェブアプリを導入してもらうよう一段と後押しすることだ。Service Workerは、ブラウザとネットワークの間に立ってオフライン機能およびバックグラウンド同期機能を可能にするもので、HTTPSを実装している必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。