KDDI総合研究所5月17日、移動ロボットの遠隔操作を安定させる無線切断の予測技術を開発したと発表した。大和ハウス工業と共同で開発したもので、狭小空間点検ロボット「moogle」に適用する。
moogleは、大和ハウス工業が開発した移動ロボットで、無線LANアクセスポイントを搭載し、操作者がmoogleから受信した映像を見ながら手元のコントローラにより無線で遠隔操作する。主に床下のような狭小空間の点検に活用されている。
今回開発した技術は、操作中の無線の強さの変化とmoogleの操作の履歴のみから、数秒先の無線の切断予測を行うためのアルゴリズム。予測結果は、moogleのコントローラの画面に表示して操作者に注意喚起する。初めての現場でも、事前の無線の強さの測定などの準備は全く不要になり、切断を含めた無線接続の不安定化を回避できる。
成果の適用イメージ
moogleの利用では、無線が安定して届かなくなると映像が遅れる、操作がしにくくなるという課題があった。操作に入る前に、安定した無線品質を確保するため、対象となる建物の無線の強さの変化を把握しておく必要があり、その手間が点検業務の負荷となっていた。