「経費精算」「勤怠・就業」「ワークフロー」「出張管理」で構成される“ERPフロント”市場の2016年度は前年比20.6%増の212億1000万円になった。2017年度もクラウドサービスが牽引する形で成長が加速し、前年比21.9%増の258億600万円となる見込みだという。ミック経済研究所が5月18日に発表した。
近年、統合基幹業務システム(ERP)本体はオンプレミスで運用し、フロント部分をクラウドで利用するハイブリッド型が増えていると説明。クラウドベンダー間のシステム連携強化でスイートサービス的なアプローチが目立っているという。
ソリューション別にみると、経費精算市場は、電子帳簿保存法を追い風に経費の可視化、業務効率化ニーズで拡大。勤怠・就業市場は残業抑制やストレスチェックなどワークスタイル変革で急加速している。ワークフロー(経費・勤怠)は、連携オプションの充実で経費精算ニーズをキャッチしている。出張管理は、頻発するテロを背景に危機管理ニーズの取り込みで拡大している。
勤怠・就業ソリューション市場は、2016年度は前年比12.9%増の108億5000万円。市場構成比で51.2%となり、ERPフロントソリューション市場の成長に大きく貢献している。
ERPフロント4分野別の市場規模中期予測図(ミック経済研究所提供)
提供形態別では、パッケージライセンスは前年比2.5%増に対し、クラウドは前年比20.2%増で、構成比は62.4%を占めた。
提供形態別勤怠・就業ソリューション市場・ウェイト推移図(ミック経済研究所提供)