「Mac OS」を標的とするランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)の最初のインスタンスがダークウェブ上で販売されているのが見つかった。これにより、スキルレベルが低いサイバー犯罪者でもAppleのコンピュータを狙うことが可能になる。
提供:Fortinet
デスクトップを狙うランサムウェアのほとんどが「Windows」を標的とするのは、Windowsが最もよく使われているOSだからだ。しかし、Appleのシステムを狙うランサムウェアも確認されている。
RaaSのスキームは、2016年頃からWindowsでは多く見られたが、Macを狙ったものはこれまで見られなかったとされる。
Fortinetのサイバーセキュリティ研究者が、「MacRansom」がTORネットワークでホストされているウェブポータルで宣伝されているのを発見したという。Mac OSを狙う最初のRaaSインスタンスである可能性があるとしている。
研究者らがランサムウェアを解析したところ、ソフトウェアを購入する犯罪者の要求を受け、作成者が設定する時間ベースのトリガーがあり、瞬時に被害者が自分のファイルにアクセスできないようにするのではなく、ファイルの暗号化を遅らせることができるという。
提供:Fortinet
トリガーされると、MacRansomが動いてファイルに鍵をかける。だが、暗号化できる最大のファイル数は128件だ。このことから、これまでに発見されているほかのOSX暗号化ランサムウェアほど高度ではないと研究者らは見ている。
それでも、ファイルを暗号化することは可能であり、com.apple.finder.plistとオリジナルの実行可能ファイルを暗号化するだけでなく、Time Date Stampを変更するという。このやり方を取ることで、復旧ツールを使ってもファイルはほぼ役に立たないものとなる。
MacRansamに感染したユーザーは、0.25ビットコイン(約700ドル)を要求され、1週間後に全てのファイルが削除されると脅される。要求に応じる場合、電子メールを送らなければならない。これも、このランサムウェアがそれほど高度ではないことを示唆している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。