ブロックチェーンは「データ中心社会」の中核技術に--IDC予測

山田竜司 (編集部)

2017-06-13 18:12

 IDC Japanは6月13日、国内ブロックチェーン関連ソリューション市場予測を発表した。市場は2016~2021年まで年平均成長率(CAGR)133%で成長し、2021年に298億円と予測。市場を構成する製品やサービスとしてブロックチェーンを基盤にしたシステム構築や運用のためのクラウド基盤、ネットワーク、ハードウェア、ソフトウェア、プロフェッショナルサービスなどを想定している。

 現在、ブロックチェーン関連の支出額を産業分野別にみると、「改ざんできない」「ゼロダウンタイム」という特性が有効なシステムを多く持つ金融機関での概念実証(Proof of Concept)が見られ、金融機関の支出額が非金融企業を上回っているという。具体的には銀行連合の銀行間送金や三菱UFJグループでの外部委託事業者との契約管理などの用途だ。


国内ブロックチェーン関連ソリューション市場 支出額予測: 2016~2021年(2016年は実績値、2017年以降は予測)

 一方、ブロックチェーンの活用がさまざまな分野へと広がることから、2021年には非金融企業が金融機関を上回ると予測している。

 非金融領域のブロックチェーンの主なユースケースとして、ポイント/トークン、資産管理、サプライチェーン管理、契約管理、各種認証、当事者間の直接取引などを挙げた。

 現段階でも、ウォルマートが中国での食品トレーサビリティ(追跡可能性)管理をしていたり、音楽配信サービスの「Spotify」でコンテンツが配信された権利者への適切なロイヤリティ支払いなどに利用された例がある。

 自動車関連では、自動車メーカーが自動車製造で使用した部品や製造プロセスをブロックチェーンに記録し、販売する車の価値を担保する例を挙げた。同様に、車のオーナーが車の利用や修理の履歴をブロックチェーンに記録することで、これを中古車市場で販売する場合に、その価値をより正確に伝えることが可能である。このようなブロックチェーンによる信用できる価値情報の共有は、市場における取引活性化や商品価値向上につながるとした。


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