広告会社のWPPグループは、2017年の世界のブランド価値ランキング「BrandZ Top 100 Most Valuable Global Brands Ranking」を発表した。このランキング調査は12年目となる。6月8日、KANTAR JAPANが発表した。
これによると、自動車分野では、前年に引き続き、トヨタ自動車(Toyota)が世界のトップブランドとなった。
同調査は、消費者調査に基づいて測定されたブランド資産と、企業の財務実績・業績分析を組み合わせたもので、業績と株価の向上にブランドがもたらす価値を明らかにしている。直接消費者に対して行うアンケートでは、実際に買い物をしているカテゴリーについて評価をしてもらうことで、ユーザーの実体験に則した評価がデータに反映されている。
BrandZは世界最大のブランド資産データベースで、世界中で、毎年300万人以上の消費者アンケート結果から集められるブランドに関するデータと、各企業の財務実績、業績の分析を組み合わせ算出している。1998年に構築されたBrandZは、毎年更新を行っており、消費財(FMCG)、耐久消費財、サービス、店舗、企業ブランドなど、200以上のカテゴリで、約6万以上のブランドの結果が含まれる。
自動車分野のトップ10には、Toyota以外に、日本ブランドとしてHonda(5位)、Nissan(6位)がランクインしている。
自動車分野トップ10(出典:カンター・ミルウォード・ブラウン)
2017年の総合ランキングでは、Google、Apple、Microsoftが前年に続きトップ3を堅持。この1年間でそれぞれ、7%増の2,456億ドル、3%増の2,347億ドル、18%増の1,432億ドルへと企業価値を拡大している。4位のAmazonは企業価値を前年比で41%増とし、トップ100ブランド中最大の成長を遂げた。5位のFacebookは27%増の成長を遂げ企業価値は1,298億ドルとなった。トップ5ブランドの価値総額は、トップ100ブランドの保有価値総額の25%になる。
総合ランキングトップ5(出典:カンター・ミルウォード・ブラウン)
また、総合ランキングで100位以内に入った日本ブランドは、Toyota、Honda、Nissanの3社とNTT、Softbankだった。
総合ランキングで100位以内に入った日本ブランド(出典:カンター・ミルウォード・ブラウン)
WPPグループによると、ブランドの平均事業歴は、2006年調査当初は84年だったが現在は67年となっている。このことは、2017年調査にも反映しており、新しいテクノロジーブランドの参入と中国ブランドの登場という結果がそれを示しているとした。
総合トップ10中9社はテクノロジー関連ブランドとなった。2017年に初めてトップ100にランクインしたブランドもすべてテクノロジー関連で、Xfinity、YouTube、Hewlett Packard Enterprise、Salesforce、Netflix、Snapchat、Sprintの7社だった。
また、WPPグループでは、2017年版の特徴として、BtoBブランドのトップ20のブランド価値総額が11%も増加していることを挙げている。Microsoftは10%増で1432億ドルとし、Shellは23%増で183億ドルを達成した。このことについてWPPグループは、デジタル世界においては、ビジネスと消費者環境間で重複が生じており、BtoB とBtoCの境界があいまいになった結果、BtoH(企業と人との取引)ブランドが生み出されることを示唆しているとしている。