第42回東京モーターショー2011が、12月3日から11日まで東京・有明の東京ビッグサイトで一般公開されている。
エコカーや次世代電気自動車などが注目を集めるなかで、今回の東京モーターショーで感じたのは、自動車とITとの連動がさらに進んだ点だといえよう。主要各社がEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)などの次世代自動車を展示するとともに、電気自動車ならではといえるITとの連動提案が目立っていたことが特筆される。
その最たる例が、トヨタが参考展示した電気自動車のコンセプトカー「TOYOTA Fun-Vii」であろう。
トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章男氏が「スマートフォンにタイヤをつけたような車両」と表現したように、人と車が「つながる」ことを提案した未来カーだ。
ボディ全面をディスプレイとしており、手元にあるスマートフォンやタブレット端末からアプリケーションをダウンロードする感覚で内外装を自由に変更でき、自動車自身を情報端末として情報を表示させることができる。
リアルタイムにボディのイメージを変更することで、出会った友人の車両ともコミュニケーションが可能になる、といった驚くべき使い方もできる。
これ以外にもトヨタ自動車は「つながる」というメッセージを訴求。まさにIT産業のようなメッセージを打ち出していたのが印象的だ。
もうひとつ注目されるのが、会場内に日本自動車工業会の展示エリアとして用意された「スマートモビリティ2011」での各種展示だ。同コーナーのトヨタブースでは、スマートフォンを車内に置くだけで、スマートフォンの画面を表示し、各種操作が行える装置のプロトタイプを展示。さらに、2012年1月から発売するという「H2V Manager」では、電気自動車などと連動したホーム・エネルギー・マネジメントを実現する様子を示してみせた。
また、安全運転支援の観点からも今後の普及が期待されるITSスポット対応カーナビや、スマートフォンをそのままカーナビとして利用するNTTドコモのDriveNetの展示のほか、電気自動車には不可欠となる充電スポットを表示するサービスなど、社会インフラとサービスを連動させた展示も増加していた。
このようにこれからの自動車産業は、あらゆる場面でITとの結びつきがより密接になることを感じさせる内容だったといっていい。