IDC Japanが10月5日に発表した国内データセンター(DC)サービス市場予測によると、2017年の国内DCサービス市場は前年比7.2%増の1兆1780億円となる見込み。2016~2021年の年間平均成長率(CAGR)は8.1%で、2021年の市場規模は1兆6230億円と予測している。
今回予測されたCAGRは、2015~2020年のCAGRに比べるとさらに上昇しており、市場規模が1兆円を超えても成長率上昇が継続しているという。こうした成長の加速にはクラウドサービスの利用拡大が大きく寄与しており、特にAmazonやGoogle、Microsoftなどのいわゆるグローバルメガクラウドサービスの利用範囲を国内の企業や団体が積極的に拡大させていることが要因だとしている。

2016~2021年の国内データセンターサービス市場売上額予測(2016年は実績値、2017年以降は予測値、出典:IDC Japan)
今回の調査では、国内DCサービス市場を「コロケーション」「クラウドデリバリホスティング」「従来型ホスティング」の3つのセグメントに分けて予測した。
コロケーションとは顧客が所有するIT機器を事業者DC内に設置して運用するサービス。クラウドデリバリホスティングとはクラウドサービスによって提供されるホスティング。従来型ホスティングとは共用レンタルサーバや専用サーバなどクラウド型によらないホスティング。
このうちクラウドデリバリホスティングは、2017年で26%を占める見込みだが、今後は急速に伸び、2021年には比率が45%に達し、国内DCサービス市場の中では最大のセグメントになると予測している。
IDCは、クラウドサービス利用拡大による市場成長の加速に加えて、コグニティブ/AI、IoTといった、まったく新しいタイプのデータ処理のニーズがDCサービスの更なる成長を促進する可能性がある考えている。
同社のITサービスリサーチマネージャーである伊藤未明氏は「こうした新たな市場のダイナミズムに対応するため、SI事業者やITベンダーではハイブリッドクラウドやデジタルトランスフォーメーション(DX)指向型DCなどの成長分野に注力することが重要」と分析している。