ランサムウェア配布の踏み台にされたアイカ工業、ウェブサイトを再開

ZDNET Japan Staff

2017-11-20 16:14

 アイカ工業は11月20日、ランサムウェア「Bad Rabbit」攻撃に悪用された事件のため閉鎖していたウェブサイトの再開した。攻撃に関する最終の調査報告も公開した。

 この事件では、同社サイトを含む数十の企業サイトが「Bad Rabbit」の配信で踏み台にされた。アイカ工業はセキュリティ企業などの指摘を受けて10月25日にウェブサイトを閉鎖し、調査を進めてきた。

 調査報告によると、同社サイトに対して、閲覧者を不正サイトへ誘導するスクリプトが埋め込まれるコンテンツ改ざんが行われ、少なくとも10月6日午後5時2分55秒から同24日午後11時37分27秒まで改ざんされた状態にあった。この間、トップページに1万6555件のアクセスがあったという。

 コンテンツ改ざんにつながる不正アクセスは、サーバのメンテナンスに使うSSH経由の可能性が高いといい、10月6日と9日に海外のIPアドレスから不正アクセスがあった。この際にSFTPを悪用してコンテンツが改ざんされたとみられている。また、ファイアウォールのアクセス制御の設定が不十分で、SSHに脆弱性があったことが不正アクセスの原因になった可能性があるとしている。

 なお、コンテンツ改ざんによって同社へランサムウェアによる被害報告は寄せられていないといい、コンテンツ改ざん以外の被害も確認されてなかったという。同社ではアクセス制御やログ管理、アカウント管理の是正、改ざん検知、セキュリティ対策ソフトの追加導入、脆弱性対策の強化などの再発防止策を講じ、第三者機関のセキュリティ診断で有効性を確認したと説明。11月20日午前9時にウェブサイトを再開した。

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